著者等紹介
平山瑞穂[ヒラヤマミズホ]
1968年、東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年にデビュー作の『ラス・マンチャス通信』で第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちゃっぴー
18
変態とは性的なことがらであるかは必ずしも問わない。異様さに思わず引いてしまうような感じ。そんな「変態」アンソロジー。中勘助「犬」蘭郁二郎「夢鬼」がよかった。。谷崎潤一郎「富美子の足」は何度もよんでいるが、やはり脚フェチ描写がお見事。胸の奥深くに潜んでいる巳み難い欲求に駆られる姿にふふふです。2018/08/25
そのじつ
13
文学アンソロジーを読むのはたのしい。文豪の作品に手軽に触れられるし、テーマによっては文豪たちの意外な一面をかいま見ることが出来る。特にこの「変態」なんて、実にわたし向きのテーマ!…しかしイカニモな変態性欲を前面に押し出したものは、谷崎潤一郎「冨美子の足」と蘭郁二郎「夢鬼」くらいかと思う。解説で語られた編者の思う文学の中の「変態」はそれとは違うようだ。著者自身が無作為に醸し出す「不健全さ」のなかに読者は変態味を感じ取るのではないかとの由。筆頭として夏目漱石をあげていたが、それは大いに頷けると思った。2018/02/03
もりの
4
変態をテーマにしたアンソロジー。ド変態というよりはちょっと違和感を感じるフェチ野郎、という感じ。文学的だった。2021/02/21
おかだん
2
変態、とのことだけど個人的にはあんまりそうは思えなかった。百間先生とかはツィゴイネルワイゼンファンでもあるので他にもっとゾワッとくる作品あるのになあ…なんて思ったり。ただ、中勘助は銀の匙しか読んだ事が無く、大変共感して愛読していたのでこういうのも書いていた事に驚いた。陰惨な大人の童話とでもいうのか、改めて他の作品も探してみたい。「夢鬼」も昭和日活シネマ的で、解像度が高く面白い。知られてない作家を発掘出来るアンソロジーは本当にありがたい。2018/03/27
でろり~ん
0
初めて名前を知った編者。興味深く読めたアンソロジーでした。常態でないものを変態というのならば、常ならざる者、あるいは行動なんでしょうけれど、どれも時代がかっているのが残念でした。解説で川端康成の作品を理解できない、引いてしまう変態さの魅力、みたいにいっていますが、自分と連れ添うことになった赤の他人に対する申し訳のなさ、を描いているんだと思いますね。変態の魅力を感じているからこそ編んだのでしょうけれど、分からない魅力としてしまっているのは、編者のテレ、みたいなものなんでしょうかね。現在のはないんでしょうか。2018/06/15