内容説明
日本人はウナギを、ご馳走であり、生態は謎で、人に祟ることもある妖しい生き物、と捉えて来た。本書ではそれぞれの側面を描いた作品を集めた。
目次
1章 ウナギはおいしい(万葉の鰻(大伴家持)
鰻(南方熊楠)
後生鰻(五代目古今亭志ん生)
鰻(原石鼎)
ごん狐(新美南吉)
海と鰻(小川国夫)
鰻のなかのフランス(中平解))
2章 ウナギは不可解(詩 鰻(北原白秋)
魚王行乞譚(柳田国男)
赤道祭(火野葦平))
3章 ウナギはおそろしい(狂歌・狂詩(大田南畝(蜀山人、四方赤良))
魚妖(岡本綺堂)
東京日記(内田百〓(けん))
海鰻荘奇談(香山滋))
著者等紹介
石川博[イシカワヒロシ]
1957年、山梨県甲府市生まれ。慶応義塾大学卒。経済学、日本近世文学を専攻し、国語科の教員として長く駿台甲府高等学校の教壇に立つ。一時小学校の校長、山梨大学の講師を務める。地元の自治体史誌類に方言、民俗、文学、教育、近世史などの項目を執筆。山梨郷土研究会常任理事、やまなし県民文化祭小説部門審査員、山梨県富士山総合学術調査研究委員会所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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relaxopenenjoy
2
鰻が好物です。勝手に想像していたのは、うなぎは美味しい、うなぎの蒲焼関東風関西風といった蘊蓄、ひつまぶしの起源とか、土用の丑にまつわる話などのアンソロジーだと思って読んだが、いい意味で裏切られたw 火野葦平『赤道祭』 中村哲医師の伯父、香山滋 『海鰻荘奇談』ゴジラ原作者、神楽坂生まれ。以上2作が面白かった。他、百閒、柳田、詩、歌、落語まで。2021/10/21
でろり~ん
1
こりゃ興味深い。作者は、なぜにウナギについてまとめようとしたのかは大きなお世話だろうけれど、素晴らしいヘンチクリンぶり。どういう人なのか、ググッてみたけれど不明。八犬伝の著作があるようで、あ、それなら読んだことある、と思うのだが、著者名に記憶なし。ウナギ屋の老舗が近所にも二軒ほどあるが、訪れたことないんですねえ、うまい食べ物という認識はあるけれど、高いです。楽しむという値段ではないです。丑の日に牛丼屋のうな重は食べたけど、たれの味だけでトホホだもんねえ。クジラに続いてウナギ食文化も消えていくんですかねえ。2017/04/07