内容説明
同郷の冤罪「徳島ラジオ商殺し」・冨士茂子の「拒絶」、連合赤軍事件・永田洋子の「逸脱」。それらは、この国で自分を全うして生きようとする女性に押しつけられた、過酷な負担だった。瀬戸内寂聴、九十一歳、初の社会的発言集。
目次
裁判と冤罪(裁判との出逢い―徳島ラジオ商殺しのことなど;裁判への招待―尊厳な法廷・その幻影と実態―冨士茂子さんのこと;婦人公論女性内閣施政方針―法は何故無力なのか庶民の憤懣を解決する能力も権限もないのだ ほか)
連合赤軍とオウム真理教(私の書いた死刑囚たち;連赤事件殉難者の御霊に;永田洋子さんの病死)
反戦と反核(心信じるイラクの人々―春にバグダッドを思う;千年の京から「憲法九条」あとがき;原発事故は人災です ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiho
7
瀬戸内寂聴という人の人生がわかる意志ある文章☆様々な事件を通しての縁ある人との出会い、世の不条理との戦い、そして今の日本への見解…常に社会への眼差しを持ち続け、凛とした姿勢で生きてきた方…。2014/04/28
八丁堀
0
過去に掲載された、徳島ラジオ商殺し、連合赤軍とオウム真理教、 反戦と反核の継ぎはぎの印刷本。売文家だ。「現在の法律は存在する事が有害。裁判の恐ろしさの方が、人間の犯す罪よりずっと甚大。人が人を裁く理不尽さの裁判は信用しない。裁判で人を裁く立場の人間の心に問うてみて罪人でないと云い切れる人はいるのだろうか」と子供じみた事を言う。この人は「殺人と云う、自分のした事の意味を考え、殺した人達の生命の意味を考える事が、殺した人に対する義務」との死刑廃止論者なのだが、全くもって身勝手な一方的な思い上がり。 2013/06/29
コギー
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三度目の再読。2020/08/13
コギー
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再読。2020/08/12
コギー
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思うところあって、図書館で借りて読む。2013年刊行。瀬戸内がかねてから主張してきたという、宗教法人への徴税を唱える人は多いが、現実的には、そうした法律を作るにあたって、与野党の有力国会議員が動かなければならない。ただし、そうした国会議員の多くは、現在の安倍首相に代表されるように、様々な宗教法人から多額の政治献金を受けている。もしも、彼らがそうした法律を作ると、政治献金している宗教法人は「それではあなた方の政治団体も税金を払ってくださいよ、でなければもう献金しません」という態度に出るだろう。2020/08/11