出版社内容情報
中濱たち「大阪組」の裁判は、なぜ非公開とされたのか?
中濱は、なぜ大阪控訴院の死刑判決に上訴しなかったのか?
弁護士布施辰治は、なぜ沈黙を守らざるを得なかったのか?
八○年間隠されてきた謎が、山崎今朝弥旧蔵資料から出現した大阪控訴院公判調書筆写 資料で解き明かされる。
山崎資料は、公判調書原本を忠実に複製した本物であった。
未刊行の詩作と予審終結後に書かれた獄中記も同時に公開する。日本近代史と大逆事件史研究に衝撃をもたらす新資料。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jamko
12
名画座で去年見逃してた『菊とギロチン』を見たんだけどギロチン社の中濱と古田がなぜ死刑に処されたのかがイマイチわからなくてネットで調べてもわからなくて本書にたどり着いた。中濱の後半陳述書は超長い(実際読み上げに数日かかってる)が面白い。これ大逆事件だったんだなぁ。ほぼ同時期の朴烈・金子文子事件は政府の面子をかけて死刑判決まで漕ぎ着けたのに、ギロチン社のほうは罪状も大逆罪でなく非公開の裁判で死刑。なんか色々政府の思惑が関係してたのは間違いないが、中濱も古田もまだ20代であったことを思うと胸が痛む。→2019/03/18