出版社内容情報
京友禅の染物業を営む平山家をハンセン病とそれゆえの差別と偏見が次々に襲う。病気との闘い、差別への怒り。「らい予防法」のもと半世紀にわたる家族の絆を描く。
鶴見俊輔「日本の現代史に光をなげる」(帯より)
ハンセン病のため、はなればなれになったひとつの家族が、ここにえがかれている。感情をおさえた文章によって、一家の肖像があらわれる。
著者の発病を医師にしらされる場面、そこまでつれていった父が、わが子に、もうつとめ先にもどらなくていい、まっすぐ家にかえれという。愛情のこもったその言葉づかい。
九十年つづいた悪法のかげにその家族の姿があった。
1 兄の死から見えてくるもの
2 家庭崩壊のはじまり
3 京都を追われて新天地へ
4 忍び寄る病魔と第ニの犠牲者
5 家族の離散と戦争
6 国民に隠された大地震と空襲の追い打ち
7 戦後に望みを繋ぐが相次いで発病
8 新たな生活のはじまり
9 兄を求めて東京へ
10 病気を秘して自立の道に
11 過去を秘し通した社会生活
12 社会と療養所の間で
13 人権裁判の勝利と母の墓
著者への手紙
全療協・執行委員の平野暉人さんによる渾身の一作です。
「らい予防法」の下を生き抜いてきた家族の姿を描いて余すところがありません。
ぜひ手にお取りください。
内容説明
ハンセン病のため、はなればなれになったひとつの家族を描く。日本の現代史に光をなげる一冊。
目次
家族の肖像(兄の死から見えてくるもの;家族崩壊のはじまり;京都を追われて新天地へ;忍び寄る病魔と第二の犠牲者;家族の離散と戦争;国民に隠された大震災と空襲の追い打ち;戦後に望みを繋ぐが相次いで発病;新たな生活のはじまり;兄を求めて東京へ;病気を秘して自立の道に;過去を秘し通した社会生活;社会と療養所の間で;人権裁判の勝利と母の墓)
著者への手紙