出版社内容情報
祖母の葬式が終わり、家族で祖父の生家に向かった天宇(読み:たう)。母屋の蔵で、祖父が十代のころに書いた手記を見つけた。中学生だった祖父に興味をもち、「開くなら、あそこがいいな」と、町を見下ろす休憩所にやってきた。そこで出会った女性に「わたしがあなたなら、読むかもしれません」と、背中を押された天宇。
昭和二十六年八月と記された表紙が風でめくれると、こう書かれていた。
「あれから六年がたった。
……できるだけ正しく、あの年のことを記しておきたい。
だからまず、あの人との出会いを書かなければならない──」
内容説明
広島のおじいちゃんが十代のころに、六年前のことを書いた手記。表紙に記された年月から六を引くと、昭和二十年の八月になるのだった。いま、注目の児童文学作家が温めてきた、ヒロシマを描く渾身の作。
著者等紹介
林けんじろう[ハヤシケンジロウ]
1974年生まれ。広島県出身。大阪芸術大学映像学科卒業、大阪芸術大学大学院修士課程修了。第17回ジュニア冒険小説大賞受賞作『ろくぶんの、ナナ』(岩崎書店)でデビュー。第62回講談社児童文学新人賞佳作『星屑すぴりっと』(講談社)で、第52回児童文芸新人賞を受賞。そのほか、第25回ちゅうでん児童文学賞大賞受賞作『ブルーラインから、はるか』(講談社)、などがある
小森夏海[コモリナツミ]
埼玉県出身。武蔵野美術大学油絵学科卒業。服飾雑貨のテキスタイルデザイナーを経て、イラストレーターの活動を開始。展示や書籍・雑誌の仕事を中心に活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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雪丸 風人