出版社内容情報
戦後1950年代、英治は商店で賑わう街の履き物屋に生まれ、総勢十一人が暮らす家で育った。5歳の春、一緒に遊んでいた3歳の弟裕也を亡くして以来、弟が死んだのは「ぼくのせいだ」と英治の心には罪悪感が住み着いてしまう。養蜂を営む叔父信三と過ごす和歌山での日々などの非日常的な体験を通し、抱えた罪悪感を少しずつ消化していく英治は、9歳の夏に蝋燭と炎の絵ばかりを描き続ける、絵師と名乗る女と出会う。「子どもを殺した」と自分を責め続けている女に、英治は「ぼくも弟を殺した」と事故のことを打ち明ける―――。
『こんぴら狗』で児童文学賞をトリプル受賞した今井恭子先生が、心の傷を抱えながらも他者との関わりを通し、力強く成長していく等身大の子どもの姿を描いた物語。
内容説明
ぼくのせいだ―。戦争の傷あとの残る時代に生まれた英治は、弟を亡くした事故に罪の意識を抱えている。英治の心を救ったのは、おじと過ごした菜の花畑での日々や、同じように悲しみを抱える大人たちとのできごとだった。少年が受け取り、そして手渡していく救いの形を描く傑作小説。
著者等紹介
今井恭子[イマイキョウコ]
広島県生まれ。上智大学大学院修士課程修了。日本文藝家協会会員、日本児童文学者協会会員。『歩きだす夏』(学研)で第12回小川未明文学賞大賞を受賞。『こんぴら狗』(くもん出版)で第67回小学館児童出版文化賞、第58回日本児童文学者協会賞、第65回産経児童出版文化賞(産経新聞社賞)を受賞する
いとうあつき[イトウアツキ]
イラストレーター。文教大学教育学部心理教育課程卒業。保育士として勤務後、イラストレーターに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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