出版社内容情報
中学1年生のあかりは、スポーツクライミングに打ち込んできたが、年明けの大会でスランプにおちいってしまう。もうやめてしまおうか、とまで考えたあかりは、ひょんなことから、目の不自由な人たちのスポーツクライミング、パラクライミングと出会う。
内容説明
ふたりでなら見えない壁だって登りきれる。中学生のあかりが、パラクライミングと出会う物語。
著者等紹介
樫崎茜[カシザキアカネ]
長野県生まれ。2006年講談社児童文学新人賞佳作を受賞。デビュー作『ボクシング・デイ』(講談社)で、第18回椋鳩十児童文学賞、『満月のさじかげん』(講談社)で、日本児童文学者協会新人賞を受賞
杉山巧[スギヤマタクミ]
静岡県生まれ。イラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
69
樫崎茜さん、初読み。中学1年生のあかりと視覚障害者の昴。パラクライミングを通して二人の少年少女が成長して行く物語。パラリンピックの種目になったら良いですね。2019/12/26
ぶんこ
48
面白かったです。オリンピックでクライミングを観ましたが、パラクライミング、しかも全盲の人が晴眼者のアシストで挑むのは知りませんでした。あかりさんのように、最初は驚きしかありません。盲者が挑戦しようと思う心意気が凄い。また、その気持ちに寄り添い協力する晴眼者も素晴らしい。盲者の森井さんと晴眼者の田代さんの寄り添い具合が自然で、読んでいても気持ちいい。昴君のツッパリも切なくて、世間に出ると危険がいっぱいとあっては無理もないとおもう。あかりさんが昴君の頑張りに触発されてやる気が出てきたのが良かったです。2021/09/23
さおり
48
図書館のティーンズコーナーで見つけて、タイトルこじつけなテーマ本ゲット!と思って借りてきました。が。予想外に中身も割とテーマ本で、嬉しい誤算。英語がうまくなりたかったら外国人の恋人を作ると良い、なんて言われたりしますけど、視覚障害者を理解したいと思ったときもやっぱり、恋に落ちるのがいちばんよね。このお話はブラインドクライミングを通して心を通わせていく中1の男の子と女の子のお話で、マジで恋する5秒前って感じなんだけど。ふたりの息が合うクライミングのシーン、とてもわくわくしました。2020/09/05
papapapapal
47
怪我は完治したはずなのに気持ちがついて来ず、登ることができなくなったクライマー・あかりが、パラクライミングと同い年の少年・昴に出会い、化学反応を起こして成長していく物語。クライミングウォールを星々が瞬く夜空に例え、星座を見つけ出してルートを描くというやり方が、素人の私にも分かりやすくて良い。始めは取っ付きにくかった昴の態度も、理由を知れば「そりゃそうか」と思えることばかり…想像する、思い描くって大切だな。 あかりと昴の物語は、まだまだ始まったばかり。機会があれば、是非続きも読んでみたい。2023/02/10
AICHAN
38
図書館本。視覚障害者が行うブラインドクライミングのお話。児童書だが大人にもおすすめできる。目の見える人のことを「晴眼者」と表現している。とてもいい表現だと思った。実はこの物語の登場人物のひとりは、私の働く障害者施設のメンバーのひとりの女性がモデル。彼女は全盲だが楽しく仕事をし、クライミングなどの趣味にも積極的に打ち込んでいる。2020/04/10