内容説明
池の水ぬきは、外来種を見つけることだけが目的ではありません。池に、“洪水が起きたあとの状態”を人工的につくり、生きものを守るための科学的な取り組みなのです。
目次
第1章 意外と知らない―池ってなんだろう?
第2章 池のようすを見てみる
第3章 水をぬく前の準備
第4章 水をぬいてみる
第5章 こんな生きものが見つかった
第6章 とった生きものを調べる
第7章 池から泥を出す
第8章 池に水をためる
第9章 池のために大切なこと
第10章 いろいろな目的や成果
著者等紹介
安斉俊[アンザイシュン]
1984年埼玉県出身。日本大学生物資源科学部海洋生物資源科学科卒業。在学中から神奈川県水産技術センター内水面試験場で研究をおこない、卒業後は同所に非常勤水産職として8年間勤務。子どものころからイラストや漫画を描くことが好きだったこともあり、生きものの絵を交えた自然観察会などもおこなう。博物館の展示イラスト、図鑑の挿絵、学習漫画を手がけるサイエンスイラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なおなお
7
テレビ番組で人気になった「池の水全部抜く」。これはバラエティーのためのパフォーマンスではないことを本書は教えてくれる。なぜ池の水を抜く必要があるのか、出てきな生き物をどうするのか詳しく説明されている。里山もだが池も人間の手を入れて維持する必要があるのか…と驚き。そうやって活動したり研究したりする人々に感謝です。2022/11/03
tokkun1002
5
2021年2月。某TV番組でやっているように学者や役所などの関係者の方々と行うのはとても良いことであるとわかる。2022/01/05
Tomonori Yonezawa
5
【地元図書館】2021.01初版1刷。奥付も変わってるが、著者が挿絵も担当と、あまり聞かない作り。▼全10章と細かいが、池と生物、水抜き、見つけた生物、浚渫と水の戻し、まとめ。で書いてる。▼小3ぐらいから読めるかな。中学ぐらいまでが適当か。▼作業自体が大人主体で行われるせいか、大人向けに書かれている個所がポツポツある。▼戻せない生物が動物園の餌になることもあるのは知らなかった。愛知県の高校生が研究してるという外来種カメの甲羅を肥料として利用する研究は、成果が発表されてるのかな?2021/06/05
tellme0112
4
うわああ、番組とぜんぜんちがう!あれでは、たくさんの魚たちを傷つけてしまっていたのではないだろうか、と心配した。そして本当の作業の目的は他にもあり、地味な作業の一つ一つが研究の資料にな利得るのだと知った。子どもと一緒に参加してみたい。虫は、苦手ですけど…2023/04/16
舟華
4
某テレビ番組の映像を見ていて「これっていいのかな?」と思っていたので、この本を見かけたときに迷わずに手に取ってみた。子供向けの本なのでサクッと読めるが、内容もしっかりしていてよい。池の水を抜く作業は昔では洪水によって起きていた水の入れ替えを、舗装されて自然には行えなくなったものを人の手で行うためで必要。外来種と一言でいうけど全部が悪というわけでもなく、全部を戻さないわけでもない。なるほど。こういう細かいところまで説明してくれたら某番組、良くなると思うんだけどな。とか思ったとか思わなかったとか。2023/03/30