出版社内容情報
戦争で引きはなされた二人の、友情のあかしとして交換したものは…
ひなまつりに、愛花の家ではおばあちゃんだけがつくれるごちそう、肉まんが食卓にのぼります。小学5年生のひなまつりに愛花は、「おばあちゃん、うちの家では、どうして、ひなまつりに肉まんを食べるの?」とたずねます。クラスのみんなから「そんなの、聞いたことない」と騒がれ、先生に「理由を聞いて、発表してください」といわれたからです。
「おばあちゃんの肉まんはね、ふつうの肉まんじゃないんだよ。パオズ。中国で、肉まんのことをパオズっていうの」
そう前おきして、おばあちゃんが話し始めたのは70年ほど前に中国の大連に住んでいたこと、中国人のリンちゃんと仲のよい友だちになったこと、順調に商売をしていたお父さんが憲兵につかまり家に戻ってきたときには心を砕かれていたこと、リンちゃんとの友情も引き裂かれたこと、夢破れ一家で日本にもどると決めたこと・・・・・・。
おばちゃんが話してくれた、海のむこうでの生活や出来事、戦争が原因で起こった悲しかったことやくやしかったことに驚く愛花。おばあちゃんがつくるパオズには、そんな出来事が詰まっているのでした。
【著者紹介】
愛媛県生まれ。一卵性の双子で、「佐和みずえ」は二人で共有するペンネーム。大学卒業後、劇画作者として執筆活動に入る。劇画の原作を書くかたわら、多くの少女小説や児童書を手がける。著書に『よみがえる二百年前のピアノ』(くもん出版)、『鷹匠は女子高生!』『走る動物病院』(ともに汐文社)、『草原の風の詩』(西村書店)などがある。
内容説明
「うちではどうして、ひな祭りに肉まんを食べるの?」「肉まんじゃないんだよ。パオズ。中国で肉まんをそういうの」と、おばあちゃんは語りはじめました。それは、今から70年ほど前に、おばあちゃんが中国の大連という町に住んでいたときの、想像もできないような話でした。
著者等紹介
宮尾和孝[ミヤオカズタカ]
1978年、東京都生まれ。イラストレーター。CDのジャケットイラスト、本のカバーイラストなどを数多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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