内容説明
六千メートルをこえる深海は、わずか指のつめ一枚の広さに小さな自動車一台分もの重さの水圧がかかる世界。そこに行くために立ちはだかるさまざまな困難を解決し、完成したのが「しんかい6500」だ。すでに千二百回以上も安全に深海に潜っている、日本がほこる世界一の潜水船なのだ。生まれたばかりの海底、鉄のうろこをまとう貝、生命が地球に誕生したヒント、地震でできた海底の裂け目、火山ができるしくみ…、宇宙と同じくらいに満ちあふれた深海の“なぞ”のうち、「しんかい6500」が明らかにしてきた、その一部を紹介しよう。
目次
はじめに 深海とは
第1章 潜水調査船の歴史
第2章 「しんかい2000」の開発
第3章 進む深海の研究
第4章 「しんかい6500」の誕生
第5章 潜水船で深海へ
第6章 「しんかい6500」の活躍とこれから
著者等紹介
山本省三[ヤマモトショウゾウ]
神奈川県生まれ。横浜国立大学卒。絵本や童話、パネルシアター、紙芝居の執筆など幅広く活躍している。現在、日本児童文芸家協会理事
友永たろ[トモナガタロ]
大分県生まれ。サカナイラストレーター。こどもの本、自然、科学、生きもの関係(とくに魚)を中心に活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MAEDA Toshiyuki まちかど読書会
34
図書館本。朱野帰子さんの「海に降る」をまた読みたくなった。しんかい12000の開発が決まると良いですね。2015/12/27
かいゆう
15
図書館小中学生向けおすすめ本。ここ最近、「みなとみらい船の博物館」「みなとみらい技術館」「日本科学未来館」で展示を見る機会の多かった「しんかい6500」3人しか乗られない狭い操縦室だけど、すごくワクワクしました。宇宙と同じく謎だらけで神秘的な深海。未知の生物の発見以外にも、生物の始まり、エネルギー資源の開発、地震の予測など、様々な可能性を秘めている。1ミリ球の形が歪んだだけで、水圧に耐えられず砕け散ってしまうという操縦室の開発も興味深かったです。これからもいろんな映像が見られるのを楽しみにしています。2014/04/18
鯖
13
深海探査船の歴史と深海の熱水泉チムニーの説明が興味深かった。1930年に1.5mのワイヤーを取り付けただけの鉄球で300mまで潜ったビービーさんに始まる深海調査。ワイヤー切れてクドリャフスカにならんでよかったね…。気球で有名なピカールがそれを応用して、深海探査への方法を考えたことに驚いた。空気でなくガソリンを満たして浮力にしようという考えって、深海魚が浮き袋に空気じゃなくて脂ためこむのと一緒だよなあ。すごい。硫化水素で体内の微生物を育て、それを栄養とする化学合成を行う深海の生き物。生き物は無限大だなあ。2018/05/09
イリエ
8
図書館本。しんかい6500のことが知りたくて。分かりやす~い本でした。ジャムステックの仕事など全体像がつかみやすいです。整備を受けている写真のインパクトもデカい。2018/03/14
エル
7
宇宙よりも深海にロマンを感じる。『海に降る』なんか何度再読したことか。さて本書はさらりとしんかい2000や6500について制作の苦労話や実際深海で調査したことなどが書かれている。確かに色々とすごい船なんだろうが…あまりすごさを感じなかったのは私が難しいことを理解出来なかったからだろうか?なんにせよ、深海に行くのはとてつもなく大変で、知恵や技術がないと行けないということは分かった。それでもマリンスノーや深海で実際に見た人しか見られない景色があるなんてまさにロマン!2022/07/13