内容説明
『古事記』や『日本書紀』に登場する水の神の生まれ変わりで、水の声を聞ける少女ミズハ。参謀たちの策略と多数の兵でせまりくる、天の神の子。不老の妙薬“朱砂”をめぐってくりひろげられる、神話時代の歴史物語。小学校高学年から。
著者等紹介
竹内もと代[タケウチモトヨ]
石川県生まれ。近畿大学農学部卒業。『不思議の風ふく島』(小峰書店)で第26回日本児童文芸家協会賞、第49回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。日本児童文芸家協会、日本児童文学者協会会員
佐竹美保[サタケミホ]
富山県生まれ。富山県立高岡工芸高等学校デザイン科卒業。SFやファンタジーの分野や児童書などで幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モリー
32
「古事記」や「日本書紀」に登場する水の神の“よりしろ”となり、過酷な運命に翻弄される少女ミズハ。やがて、ミズハの生まれた地から採れる“朱砂”(水銀)を巡って戦いが繰り広げられる。高千穂を出て各地の部族を征服しながら迫ってくるイワレビコたちに立ち向かう大和地方の人々。しかし、世の流れは変えられなかった。神話をもとにしながら、資源を巡る争いという物語を絡めて描かれる神話時代の歴史物語は、日本の古代史を見る新たな視点を与えてくれた。2018/12/26
りー
6
神武東征神話の大和平定、兄猾・弟猾、長髄彦との戦いを、児童向けに物語として描いた作品。水銀に注目しているところとか、目の付け方は良いのですが、児童向けだからか“いやいや、ホントはもっとドロドロの諜報戦だったよね”というところが、主人公が水の声を聞いて危機を知る、というファンタジーになっています。改めて古事記のこの辺のストーリーを読み返すと、よくこのまま伝えたよね、と思うくらい被征服者側の善戦が読み取れる。戦前戦中は触れることすらできなかった部分、やっとこちら側の視点から書ける時代が来たのね、という感慨。2018/08/03
シュウ
4
救済の物語とは言えないかもしれない。哀愁が漂っている物語かな。2019/12/12
fukufuku
4
神話を元にした古代ファンタジー。神武東征の裏にある滅ぼされる村の長の娘は神の依代だった。 児童文学は結構古事記や日本書紀かをモチーフとしたお話が多い気がする。 古代ファンタジーを読むたびに、氷室冴子先生がご存命で銀金の続きを描いていてくれたら…と思ってしまう。2018/04/15
toko
3
今まで古事記のことをよく知らなかったのですが、この本を読んで一度きちんと古事記を読みたくなりました。科学はこれほどにも発達しているのに、人の世は古も今もそう変わっていないように思え、そういうことがとても不思議に感じました。2017/03/31