内容説明
動物の死体を調べるかいぼう学は、まるで死体に話しかけ、進化のなぞや秘密を聞きだすような研究です。そして死体から標本をつくり、死体が教えてくれた新しい発見や考えかたとともに、未来へ伝えていく場所があります。博物館です。そこは、わたしたちがいだく「科学の好奇心」をいつまでも満たしてくれる、大切な場所なのです。小学校上級から。
目次
第1章 世界の各地に動物を追う
第2章 パンダとの出あい
第3章 七本目の指の発見
第4章 動物園のお葬式
第5章 よみがえる死体たち
第6章 たくさんの死体に囲まれて
第7章 動物を飼う人の気持ち
第8章 みなさんに死体をたくす
著者等紹介
遠藤秀紀[エンドウヒデキ]
1965年東京都生まれ。東京大学農学部卒業。国立科学博物館、京都大学霊長類研究所を経て、東京大学総合研究博物館教授。博士(獣医学)。動物の死体に隠された進化の謎を明らかにする研究に取り組み、「パンダの7本目の指発見」で世界的に高い評価を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベーグルグル (感想、本登録のみ)
45
(学校図書館)動物の死体を調べし、その体のしくみや進化のなぞをさぐる動物解剖学者・遠藤秀紀さん。「パンダの7本目の指発見」で世界的に高い評価を得ました。動物の遺体から分かる事を、子供にも興味を持つ言葉で書かれている。「好奇心」が何よりの学びに繋がると感じた1冊。2021/01/19
Eri
3
娘小6図書館。 亡くなってしまった遺体から引き継がれるもの。未来へとつないでいくために残すもの。 CTで見つけることのできた、パンダとアリクイの話もとても興味深かった。 今は、死が身近ではなくなってきているけれど、ご飯を食べる時にだって、そういうことを少し考えるといいかもしれない。2024/05/13
にたま
1
子ども向けに出版されている児童書ですが大人がよんでも読み応えのあるないようです。私は解剖とか忌避してしまう人間なので作中の表現や写真の一部に顔をしかめてしまいましたが、命を知る、動物の進化、研究について知るのにはとても適した本だと思います。子どもにも大人にも読んで欲しい。2013/10/31
むっち
0
子ども向けといえ、具体的な記述はとても興味深い。にわとりの原種(?)の話や、有名なパンダの7本目の指の話など、読みごたえのある内容でしたが、なんと言っても博物館の役割を説くくだりの熱いこと。ついさっきも大阪市のトップが博物館といえども経営を考えないといけない。中途半端はだめで誇れるものといってましたが博物館とデパートを一緒くたに出来ないと思う。無駄遣いやめろが文化をうけつぐ地道な活動まで否定するならばそれは間違いだと思います。遠藤さんには今後もあつく発言してほしい。2012/02/03
pasta
0
すごいよ…すごいよ!! 解剖すごい! これは実体験はできないし、映像でなんて生々しくてみられないだろうし、文章で読むのがおすすめ! 充分ひぇぇぇええ!!だから。でも、真面目な大事な学問です。全ての命に敬礼。2010/09/15