内容説明
1万年前の人類と比べて、現在の人類の遺伝子構造は、それほど変化していない。しかしながら1万年前と現代とでは、生活構造は大きく変化している。ヒトの遺伝子は、現在の生活に合わせて設計されてはいないのである。そこに生じる歪みに、多くの病気が生まれる原因があり、その歪みこそが、研究テーマ。
目次
第1章 進化医学という考え方(進化医学とはどんなもの?;生命とはなにか ほか)
第2章 ゲノム解析でここまでわかる「病のきた道」(高血圧はどこで生まれたのか;アフリカから始まる塩と人類の関係 ほか)
第3章 遺伝子は病気のためにあるのではない(進化からさぐる男と女のちがい;遺伝子は人の体質・行動に影響を与える ほか)
第4章 進化医学からのぞきみる未来像(未来はずっと先なのだろうか;メガネをかけた現代人 ほか)
著者等紹介
井ノ上逸朗[イノウエイツロウ]
国立遺伝学研究所人類遺伝研究部門教授。1988年鹿児島大学院医学研究科博士課程卒業。大学院での専門は生化学。1989年から1998年まで米国ユタ大学に留学。そこで人類遺伝学を学び、高血圧研究を進める。1998年から2000年に群馬大学生体調節研究所で糖尿病研究に従事。2000年から東京大学医科学研究所の助教授として、common diseaseの遺伝学に従事。2006年から東海大学医学部教授、そして2010年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
5
分子生物学の勉強をきちんとしようと思いました(小並感2014/02/12
たぬき
3
題名はあれだが内容はオーソドックスな遺伝学2012/11/18
mita
1
人類はどうなるのだろう2015/04/06
カーメンホワット
1
進化医学ってのは読めば読むほど「人間」の可能性を考えさせる。いまある病気が他の病気を抑制するためにあるとか。こういう思考回路はあるといい2013/05/03
ABCsaitoDEF
0
鈴木祐氏の本を読み、進化医学について興味を持ち読了。字数も少なめで生化学的な詳細な仕組みがみっちりと書かれている様な専門書ではなく、少し医学知識のある一般人なら理解のしやすい本である。分からない単語が出てきてもページ下に解説文が載っている。私は酒が弱いため、アルデヒドは寄生虫感染症を防ぐ効果があること、安全な水分を取るためにお茶を飲む方法をとった、だからアジアに下戸が多いのではという話は耳寄であった。その他、つわりや近視、痛風、糖尿、高血圧、と言った病がなぜあるのかについて新しい視点で学べた。2019/09/09