内容説明
胎児の身体をつくるのに必要な栄養素を母親から送るための唯一の組織「へその緒」。そのへその緒から、数々の環境汚染物質が検出されている。胎児期に受ける複合汚染は、人の心身の発達にどのような影響を与えているのか、最新の科学的データを元に明らかにする。未来世代の健康を守るために、現代を生きる私たちにできることがある。
目次
1 胎児期から始まる人体の汚染
2 胎児期汚染による被害の歴史
3 大人と子供と胎児の違い
4 身の周りの環境汚染物質による複合汚染
5 次世代への影響、新しい考え方
6 子供たちを守るには―「環境改善型予防医学」という考え方
7 子供たちの健康と予防原則
付録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryotaro Tsunekawa
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胎児が生まれると同時にその使命を終えるへその緒。けれどへその緒が私たちに教えてくれることが実は、たくさんあった。衝撃的だったのは、著者らが2002年に実施した調査で、日本人新生児のへその緒に含まれていた化学物質のうち、ダイオキシン、PCB、トリブチルスズの検出された割合はいくらかというと、なんと100%(!)。調査数は20以下なので統計的には十分ではないかもしれないが、それでも衝撃的な数字。「子供は小さな大人ではない」「予防原則」「マイアミ宣言」「ドバイ宣言」などキーワードは覚えておきたい。2021/04/05