内容説明
有機化学は、生命や身の回りのあらゆる物質を研究する学問であり、生活を営む上で最も必要な学問の一つといえる。そんな有機化学の世界では、今日も美しい分子がひしめきあい、幾多のドラマが繰り広げられている。そこは、まるで舞台の上のように不思議で面白い。
目次
口絵 有機化学美術展(炭素の同素体;フラーレン・炭素の織り成す小宇宙 ほか)
1 美しい分子、面白い分子(ネーミングいろいろ;炭素の多面体 ほか)
2 化学者たちのドラマとエピソード(導電性高分子―白川英樹博士の業績;ノーベル化学賞・野依良治教授の業績 ほか)
3 分子の力―新しい機能をひらく(分子の王冠・クラウンエーテル;シクロファンの世界 ほか)
4 ナノテクノロジー最前線(サッカーボール分子・バックミンスターフラーレン;フラーレンの変身 ほか)
著者等紹介
佐藤健太郎[サトウケンタロウ]
1970年生まれ。東京工業大学大学院(修士課程)にて有機合成化学を専攻。1995年よりつくば市内の製薬企業に勤務し、創薬研究に従事。その傍ら1998年よりホームページ「有機化学美術館」を開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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トムトム
26
有機化学はどうやら面白そうだと気付いたばかりのビギナーです。とても面白かったです。分子サイズの図工!元素を使って色々な組み合わせのいろいろな形を作ってみて、さて、何に役に立つのかというと別に何もなし。同じ物質の組み合わせなのに、組み方の違いで毒にも薬にもなる。はたまた何の役にも立たなかったり。作ってみた結果としてノーベル賞ものだったり。もっと色々な本を読んでみたいと思いました!2021/02/10
たんたんx
23
本の冒頭を、分子構造式の美しいカラー口絵が彩っている。現在は電子顕微鏡の進歩もあって、本書のイラストに近い姿で分子の振る舞いをとらえる事が出来るようになっているようだ。フラーレン、こんなに種類があるとは!人型をしたナノプシャンや走る車のようなナノカー、そして美しいポルフィリン。目で楽しむ化学の本だ。カーボンナノチューブを頑張って研究して、早く宇宙エレベータを作ってくだされ。2017/06/10
Mzo
18
これは面白いですね。まさに機能美と言うべきものから、遊び心満載でデザインされた分子まで、様々な分子の美しさを堪能できました。目的ありきだけではなく、こういう好奇心が科学を発展させてきたのも事実。この本を読んで化学系の専攻に進む中高生が出てくるといいなぁ。2016/05/24
チクタクマン
3
有機化合物には興味深い形をしたものがたくさん。それもこれも、有機化学の主役である炭素という元素の性質の成せるわざだそうだ。例えば、窒素で様々な形の分子を作ろうとしても上手くいかないらしい。面白い有機化合物をいくつも生み出してきた、研究者の遊び心と発想力にただただ驚嘆。2016/08/14
su96
3
化学を専攻してきて化学好きの私にはウハウハな一冊でした。
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