内容説明
ペンギンは可愛いだけではない。はっきり言って、ものすごい。ペンギンの誕生は、実は大昔。白亜紀の時代に、恐竜と共に生きていた。冬の南極に耐えるやつがいれば、一年中赤道で暮らすやつもいる。普通のサラリーマンぐらいなら、軽く叩きのめす腕力もある。もう、可愛いだけとは言わせない。…というか、言えない。
目次
１ ペンギンはなぜペンギン？
２ あのペンギンはどのペンギン？
３ ペンギンの体は摩詞不思議
４ 飛んでいるペンギンたち
５ 楽しく過酷なペンギンの一生
６ ペンギン進化の旅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
67
日本人は世界でも突出したペンギン好きだそうです。但し、癒し系のマスコットは多い割に研究書は少ない。本書は6属17種(諸説あり)のペンギンの起源や生態、人間との悲しい歴史などを真面目に解説した本。地球上で最も過酷な自然環境で生きるポテンシャルは「かわいい」どころじゃありません。一般的な鳥類の3倍の骨密度を持つ強靭な肉体。500m超の潜水能力(エンペラーの場合)。船のスクリューと同じ機能があるフリッパーとドライスーツのような羽毛を駆使して、オリンピックの金メダリストに匹敵するスピードで水中を飛翔するのです。2015/01/04
ばりぼー
41
ペンギンはかつて空を飛んでいた種から進化したという説が有力で、羽ばたきに必要な胸筋を支える「竜骨突起」、飛翔能力を調節・統御する「高度に発達した小脳」、爬虫類系の先祖から受け継いだ長い尾の痕跡である「尾椎骨」から推定できる。こうした特徴を見る限り、ペンギンは空を飛ばなくなって飛べない鳥になったのではなく、「飛ぶ空間を空中から海中に移動させた」という言い方が適切である。飛翔能力を放棄してエネルギーを節約し、骨密度や脂肪を増やして潜水を容易にすることで、外敵のいない極寒の地を生息場所にすることが可能になった。2017/01/09
キリル
4
タイトルが面白いです。分かりやすい文章で書かれていて読みやすかったです。とてもかわいいペンギンですが、サラリーマン程度なら返り討ちにする実力の持ち主と知って、かわいいだけじゃ生き残れない自然の厳しさを思い知りました。2016/12/20
雅瑞
2
【図書館本】大好きなペンギンについての知識を少しずつ増やしたくて図書館で見つけた本。難しすぎることなくとても読みやすかったです。オールカラーにして欲しかった!!図書館で借りた本ですが、自分で買いたいな～と検討しています。初版が平成19年の本。今はもっと研究が進んで、新しい発見があったりするのかな～？初心者にも分かりやすい(読みやすい)こういう本をまた出していただきたいです。2015/01/07
めめ
1
タイトルと表紙のインパクトに惹かれて図書館で借りて一気に読了。ペンギン、可愛いだけじゃない凄い奴等だったんだなと瞠目。種類別の解説ページはカラーで見たかったがペンギン自体ほぼツートンカラーだしまあいいか。初心者から見たらかなり突っ込んだ知識を解りやすい文章で与えてくれる有難い本。各種ペンギンの見分け方のポイントも紹介されていたので、動物園や水族館に行ったら早速チェックしてみたい。2017/01/30
