内容説明
江戸時代から連綿と続く富山売薬は、全国に薬と笑顔を届けてきた。梶田隆章氏による巻頭エッセイ、そして阿刀田高氏、羽仁進氏、下重暁子氏、河村幹夫氏、三木卓氏ほか、各界の30名による置き薬にまつわるエッセイを紹介。富山売薬にまつわる用具と人々、富山市の魅力も合わせて紹介。
目次
置き薬をめぐる話(ユニークな庶民文化(阿刀田高)
富山の“置き薬”に思う(羽仁進)
“玉手箱”(下重暁子)
富山の『熊の胆』は不滅でした!(河村幹夫)
富山の置き薬と一九五〇年代(関川夏央) ほか)
用具・資料コレクション(置き薬を届ける人;行商用具;売薬さんのおみやげ紙風船;製薬用具;売薬さんの進物 売薬版画 ほか)
感想・レビュー
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izw
8
富山出身なので小さい時から置き薬にはお世話になった。結婚してからも配薬屋さんが訪ねてきたのをきっかけに、今でも自宅には置き薬がある。昔のように柳行李に詰めて風呂敷でしょってくることはないが、使った薬を調べて代金を徴収し、古くなった薬を交換してくれている仕組みは健在である。そんな中、図書館の新刊で「富山の置き薬」という題名を見つけ思わず借りた。各界30名による見開き2頁のエッセイと、売薬の用具・資料の説明2頁が交互に配置された構成。子どもの頃の思い出が多く、昭和30年代頃までの売薬さんの姿が目に浮かぶ。2019/05/05