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内容説明
麻薬・テロ対策で職権を乱用し、謹慎処分を受けた警察官の兄、娼婦に無垢な愛を捧げる、知的障害をもつ弟。帰郷した兄は、必死に、かつ暴力的に、弟を娼婦から引き剥がそうとするが―テロ・移民・暴力を必然的に生み出す社会構造、売春・性・麻薬・カネをめぐって渦巻く欲望。その中を生き抜く人びとは愛に飢え、底知れぬ寂寥感を抱え込んでいる。スペイン現代文学のフロントランナーが描く「現代人の疎外」状況。
著者等紹介
マルセー,フアン[マルセー,フアン][Mars´e,Juan]
1933~。内戦終結後のフランコ独裁体制下で幼少期を過ごし、1950年代から頭角を現した「世紀半ば」世代の代表的作家。第一作『遊具ひとつで引き篭もり』(1960年)が新人作家の登竜門であるビブリオテカ・ブレベ賞の次点となって注目される。以後、『テレサとの最後の午後』(1965年、ビブリオテカ・ブレベ賞)、『恋に落ちたら―青春の日々』(1973年、メキシコの国際小説賞)、『金色の下着をはいた女』(1978年、プラネタ賞)、『ギナルドー大通り』(1984年、バルセローナ市賞)、『魅惑の上海』(1993年、クリティカ賞およびヨーロッパ文学賞)、『ヤモリの尻尾』(2000年、クリティカ賞およびスペイン小説賞)など、次々と作品を発表して不動の地位を築く
稲本健二[イナモトケンジ]
1955年生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)大学院修士課程修了。同志社大学言語文化教育研究センター教授。スペイン文学専攻。マドリード・コンプルテンセ大学およびアルカラ・デ・エナーレス大学で在外研究。文献学、書誌学、古文書学を駆使して、セルバンテスやロペ・デ・ベガの作品論を展開。国際セルバンテス研究者協会および国際黄金世紀学会に所属して毎年世界各地で研究発表をこなし、論文のほとんどはスペイン語で執筆。元NHKラジオ・スペイン語講座(応用編)およびテレビ・スペイン語会話担当講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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