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出版社内容情報
ラテンアメリカ文学の新星ロドリゴ・レイローサが、住み慣れたモロッコを舞台に綴る、詩のような、夢のような、悪夢のような物語。パスポートを盗まれて帰国できなくなったコロンビア人が、羽をいためたフクロウとタンジールの街をさまよう。捕われたフクロウと自由を失ったコロンビア人、羊飼いの少年とパリジェンヌ。彼らはタンジールの街で一瞬だけ出会い、そのまま永遠に離散していく。あとはすべて、古屋敷の屋根裏で、すっくと立ち続けるフクロウの夢の中……。物語の多義性、多層性、そしてその背後にひそむ神秘が、この小説最大の魅力。
ポール・ボウルズにその才能を見出され、欧米の読書界で高い評価を得ているロドリゴ・レイローサ。既訳書2冊(いずれも現代企画室刊)も好評を得て、『その時は殺され…』はNHK・FMでラジオドラマ化されました。小社では、今後もレイローサ作品の刊行を予定しています。
内容説明
捕らわれたフクロウと自由を失ったコロンビア人、羊飼いの少年とパリジェンヌ、モロッコはタンジェの街で一瞬だけ出会い、そのまま永遠に離散してゆくものたちの物語。
著者等紹介
レイローサ,ロドリゴ[レイローサ,ロドリゴ][Rey Rosa,Rodrigo]
1958年、グアテマラに生まれる。学業を終えてのち、「内戦状態が続いて、落ち着いて文学に打ち込める環境ではなかった」グアテマラを離れ、ニューヨークに向かう。そこで映画の勉強をしてから、1982年、モロッコに長いこと住む米国の作家、ポール・ボウルズ(1910~1999)が講師をつとめるワークショップに参加するためにタンジールを訪れる。20代前半の若者の文学的才能を認めたポール・ボウルズは、レイローサの短篇を自ら英訳して米英で出版、タイムズ紙文芸付録の書評子が「土着的な題材を夢幻の領域に取り込んだこれらの掌編は驚異的なまでにみごとだ」と書くなど、高い評価をうけた。タンジールに十数年留まり、『乞食のナイフ』(1985)『静かな湖水』(89)などの作品を次々と発表してきた。その作品世界は、現実と幻想、土着的なものと都会的なもの、さまざまな人種や文化が微妙に絡み合う点などで、他に代えがたい魅力を醸し出しており、ラテンアメリカに生れながらそこをも超えてゆく新しい可能性を秘めた作家として注目される
杉山晃[スギヤマアキラ]
1950年ペルー、リマ市に生まれる。現在、清泉女子大学教授。ラテンアメリカ文学専攻
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感想・レビュー
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