内容説明
和歌子が就職列車で旅立った線路に、陽が射しているのに桃の花びらのような雪がふたひら、みひら…。それは淡い初恋のように消えた。しかし、長い歳月を経たふたりに思いもよらない邂逅の日が訪れる。「ああ上野駅」の感動が心に蘇る珠玉の作品。健友館文学賞受賞佳作。
著者等紹介
伊藤博夫[イトウヒロオ]
1941年秋田県能代市生まれ。幼名貢。本名兵九郎。京都の大名だったという先祖の名前を襲名。江戸末期から七代目、後に博夫と改名する。1970年家庭の事情により伊豆箱根鉄道を退社、帰郷。北羽新報「窓」に隔日で三ヶ月間、コラムを執筆。1970年家畜人工授精師の資格取得。畜産農家と牧場、山野を奔走。山本畜産農業協同組合理事、能代山本家畜人工受精師協会監事、能代市青少年健全育成推進委員、秋田農村問題研究会会員。1987年再上京。現在、財団法人山岡育英会孫翁塾塾長。2000年詩吟の会“青雲会”を結成。2001年「名残の雪」健友館文学賞佳作受賞、「漁り火」フーコー短編小説佳作受賞。元「現代文芸研究所」同人、「新松柏」同人
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