内容説明
上海軍報道部に勤務し上海租界での実時間を生きた著者が描いた日中関係裏面史であり、戦争責任と表現の自由への問いを含意した社会史。中国人監督による映画が作られた意味と作品群、最高責任者であった川喜多長政の生涯、そして太平洋戦争前夜から敗戦までの上海社会事情を詳述。
目次
第１章 川喜多長政の理想
第２章 中華電影設立と日本側の文化工作
第３章 張善〓（こん）へのアプローチと「孤島」上海
第４章 中華電影との出会いと巡回映写
第５章 張善〓（こん）の実像
第６章 対米英開戦と「中聯」の誕生
第７章 中国映画史にない作品群１―「中聯」の作品
第８章 中国映画史にない作品群２―「華影」設立と日中合作映画
第９章 敗戦と中華電影の終焉
