内容説明
戦前は日本の植民地、戦後は米国の核実験場としてずっと辛苦をなめさせられてきたが、人びとは相互扶助の精神と島嶼間ネットワークで培われた知恵を発揮して「被曝」という負の遺産と闘いつづけてきた。しかし超大国・米国の影響は社会生活の隅々にまで浸透し、近い将来に、自国の伝統文化を取り戻し、沖縄(日本)の米軍基地問題にも通じる差別的構造を解体することは容易ではない。放射能汚染、米国の傘の下―小国の歴史が3・11後を生きる私たちに反照するものは何か。
目次
第1章 都会の暮らし マジュロへの旅
第2章 田舎の暮らし アイルックを訪ねて
第3章 歴史 小さな島国の昨日、今日、明日
第4章 核と軍事 アメリカの安全保障体制の影
第5章 政治と社会 内政、外交、自治体、NGO
第6章 文化 言葉、宗教、親族関係・土地制度
増訂新版に寄せて ロンゲラップ環礁の人びとの軌跡と3・11原発震災
著者等紹介
中原聖乃[ナカハラサトエ]
1965年生まれ。現在(2012年11月)、中京大学社会科学研究所特任研究員。名古屋市立大学、南山大学、金城学院大学などで、文化人類学、平和学、異文化コミュニケーションなどを教える。短大卒業後、一般企業に勤務しながら大阪外国語大学夜間部を卒業。その後神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了。2007年博士号取得(学術博士)。専門は文化人類学。とくにマーシャル諸島の被曝後の社会再建をテーマに研究
竹峰誠一郎[タケミネセイイチロウ]
1977年生まれ。現在、三重大学研究員。和光大学4年のときからマーシャル諸島のフィールドワークに取り組む。博士論文「見えない核被害」で早稲田大学から学位(学術)取得。日本平和学会に分科会「グローバルヒバクシャ」を設立、共同代表。第五福竜丸平和協会専門委員や丸木美術館評議員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Yasuhisa Ogura