内容説明
列島を北から南へ。現代社会が忘却の淵に追いやった人間の精神的いとなみと歴史的記憶を、旅先の現場と書物との対話を交えて思索した随想録。「いまだ・ない」図はどうやったらえがけるか。
目次
3 生と死の現場(京都で出会った忘れがたい人びと―中野武志の小説、北沢恒彦の思想と行動、望田幸男の「比較の歴史学」、米澤有恒の美学;奈良県御所市から見る日本近代―宮崎学の「近代の奈落」、西光万吉と全国水平社、栗須七郎と水平運動史;鬼が跋扈する「闇の国家」紀州と大逆事件―大石誠之助をめぐるさまざまな表現;土地の記憶、土地の記録―奈良県十津川と紀州熊野、岐阜県徳山村、山口県周防大島、石川県金沢の霊域;表現者たちの紙碑―阪神・淡路大震災と原爆、ヒロシマの思想 ほか)
4 沖縄のアイデンティティ(未郷という名の原郷へ―炭坑節と与論島、八重山のおばあと唄にのって;転換期の沖縄―近現代史の諸相とヤマトの“影”、新たな「世がわり」 沖縄サミット・沖縄イニシアティブ、「反復帰」論の核心;辺野古の海へ―普天間基地の代替施設をめぐる攻防)
未来の原風景―3・11原発震災と国策の地平 福島被災地から下北核半島へ
著者等紹介
米田綱路[ヨネダコウジ]
1969年奈良県生まれ。大阪大学大学院言語文化研究科修士課程修了。新聞社、出版社を経て週刊書評紙を発行する(株)図書新聞に入社。編集長を経て現在、同紙スタッフライター。『モスクワの孤独―「雪どけ」からプーチン時代のインテリゲンツィア』(現代書館、2010年)で第32回サントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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