内容説明
一九〇三年、慶尚北道の貧農の家庭に生まれた好潤は、やがて石南と結婚し三人の子どもをもうけるが、植民地下で土地を失った農民は糊口をしのげず、日本列島を縦断してはるばる南樺太の炭鉱まで単身で出稼ぎに―。東アジア近代史の荒波に翻弄されたひとりの男がたどった苦難の道のりと、戦後もサハリン残留を余儀なくされた家族の絆。
目次
プロローグ 凍土の炭鉱への道
第1章 家族で樺太へ
第2章 急速転換
第3章 日本の敗戦と解放
第4章 九州からの帰還
第5章 樺太がサハリンに
エピローグ その後のサハリン
著者等紹介
片山通夫[カタヤマミチオ]
1944年、大阪生まれ。上海で文化大革命に遭遇し、報道写真家に。70年からキューバ国営通信社「プレンサ・ラティナ」勤務。90年から東欧の社会主義崩壊と民主化を取材した後、サハリン残留朝鮮人問題を取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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