PD叢書
女詞―太宰治アンソロジー

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784773633092
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

●内容紹介(版元ドットコムより)
 6月19日の「桜桃忌」を控えて、太宰が女性一人称独白体で書いた九作品を集めて刊行します。太宰が結婚してから戦争が始まるまでに書いた作品です。太宰は結婚してから小説家として世間から認められようと煩悶していたようです。だからこそ、これらの作品を書くときには手を抜かなかったはずです。力の入れようも違ったでしょう。太宰は自己憐憫と自己愛惜の作家でした。

 今年は映画の分野でも、「斜陽」(佐藤江梨子/温水陽一)や「ヴィヨンの妻」(浅野忠信/松たか子)など三作品が公開されます。

 芥川賞作家の川上未映子さんは今年1月6日の「毎日新聞・新春座談会」で太宰の女性一人称の小説について次のように語っています。

――女性の視点というより、視点が二つある。でも、もう一つの視点は、親友の男の人でも全然いい。感嘆するのは、女性の語りだからではないんです。でも当時は、女性としての語りの巧みさが評価されてたんですよねえ……。もちろん男性から。

――ひよっとして私も今、改めて『女生徒』(本書には未収載だがほとんどの文庫に入っている)を読めば、「すごく女の人の気持ちが分かっている!」と思うのかもしれませんね」(笑い)

 本書の解説では、現物が未公開だった太宰の手紙を引用して吉田和明さんが、当時の文壇と出版界の楽屋裏に切り込んでいます(資料収載)。この手紙は『斜陽』の編集者・野原一夫さんが持っていたものです。初公開です。



●目次(版元ドットコムより)
きりぎりす



千代女

十二月八日

葉桜と魔笛

待 つ

皮膚と心

誰も知らぬ

雪の夜の話

解 説 太宰治は小説家であり続けたかったのだ――吉田和明


●版元からひとこと(版元ドットコムより)
太宰が戦前、女性一人称独白体で書いた九作品。解説には太宰治が「全集」の編集者に書き送った直筆手紙の書影を収載。

内容説明

戦争が始まるまでに太宰が女性独白体で書いた九作品―このころの太宰はプロの小説家として自立しようとしていたはずだ。女性より女性らしいと評された太宰文学の精華。

著者等紹介

吉田和明[ヨシダカズアキ]
評論家・コラムニスト。千葉県館山市生まれ。法政大学経済学部卒業。東京工業大学社会理工学研究科博士課程修了。1980年代に綜合評論誌『テーゼ』を創刊、主宰。86年より、日本ジャーナリスト専門学校講師。また、この間、大学やカルチャーセンターなどの講師も務める

新田準[ニッタジュン]
1947年生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業。卒業後商社勤め10年間のあいだに、ウイーン駐在東欧巡回員などを経験。凱風社設立メンバー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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