出版社内容情報
中日韓のアイデンディティを共有する著者が、東アジア文化の基層にある漢字と宗教から、現代中国韓国日本を鋭く分析。中国には「公」がなく、孔子以来「家」を一歩出ればすべて他人事。現代韓国に生きる巫俗信仰はサッカーW杯で爆発した。韓国人はこぞって街頭へ出て神と交わり踊った。日本は東アジアで最も若い。柔軟ではあるが曖昧な社会で、権力の所在はいつも霧の中に隠れている。
目 次
●はじめに
なぜ漢字文化を論ずるのか
文化批判への視座
儒教と漢字に注目
中日韓――私のアイデンティティ
本書のねらい
参考文献について
●第1章 文化の解釈
文化とは何か
いくつかの課題
文化の善悪
文化の進化
環境と文化
社会と文化
文化の構造
象徴行為と文化
哲学・宗教・文化
●第2章 中国文化の要
中国人と宗教
道に生きるということ
農に始まる中国人の信仰
「天」の観念
「天子」の登場
「人本」思想の出現
仁は人なり
天下に通じる人間の道
家の機能と中国社会
孔子と儒教の教え
「孝」はすべてを超越する
君子の条件
君子は器ならず
君子は古を好む
●第3章 中国文化の質
中国人を不幸せにするもの
精神世界ではいつも得意
世間は避けて通る
大を好む
家族はすべてに勝る
「公」のない中国社会
「中国化」と民族構成
中華意識がもたらすもの
天の真下、宇宙の中心
生きるために演じる
重苦しく生きる
中国人が破壊し尽くし> 美は善なり
美は神なり
極めることは神の道
日本人の神々
神々への信仰と仏教
日本社会の構造と文化
日本語と日本文化
日本文化の志向性
日本語の柔軟性
日本語の親族呼称
日本語の秩序
●結論に代えて
社会問題の根源は文化にある
新しい文化の創造が必要
●あとがき
◆主要参考文献
◆コラム――黄河と中国/甲骨文字/武帝
似ているようでどこかが違う日中韓を、ことばと宗教から探った意欲的文化論。漢語もハングルもネイティブとして自由に操る著者は、日本語で論文を書く大学教師でもある。この著者にして書けた漢字文化の差異。
内容説明
言語と宗教の違いが、中・日・韓の文化の差に反映!中国には公がない。孔子よりこの方、家を一歩出ればすべては他人事。現代韓国に生きる巫俗儀式。サッカーW杯の応援は国民総出の祭りだった。日本は東アジアの新参者。だから柔軟一方で曖昧。権力はいつも霧の中。
目次
第1章 文化の解釈
第2章 中国文化の要
第3章 中国文化の質
第4章 中国文化の形“漢字”
第5章 韓国文化を問う
第6章 日本文化を問う
著者等紹介
李相哲[リソウテツ]
1959年、中国に生まれる。1982年、北京中央民族大学民族語言文学部卒業。1982~87年まで中国黒竜江日報(ハルピン)記者。1987年9月来日。上智大学国際関係研究所客員研究員などを経て、現在龍谷大学社会学部助教授。博士(新聞学)
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