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内容説明
「ハイジ」の著者、ヨハンナ・シュピリ初期小説、本邦初訳登場!!アルムおじさんとその妻はどんな人だったのか?「アルプスの少女ハイジ」の深層が垣間見えるファン必読の小説集。
著者等紹介
シュピリ,ヨハンナ[シュピリ,ヨハンナ] [Spyri,Johanna]
1828年ヨハンナ・ルイーゼ・ホイッサーとしてスイス、チューリッヒ州ヒルツェルの田園地帯に生まれる。1853年に25歳で弁護士のベルンハルト・シュピリと結婚。ヨハンナはチューリッヒでの生活の間に小説を書き始め、1871年処女作「Ein Blatt auf Vrony’ Grab」を書き、1880年「アルプスの少女ハイジ」が出版された。1884年ヨハンナ57航の時、夫と一人の息子を共に亡くし、その後慈善活動に専念し、その死まで50以上の物語を出版した
田中紀峰[タナカノリミネ]
1965年長崎県生まれ。歌人、大学教授。専門は数理芸術だが、その該博な知識は古代ギリシャ史から日本古典文芸にまで及び、現在、アレキサンドロス大王の東方遠征を、西洋史観から離れてアジア的視点で再構築する作品を構想中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
北風
13
信仰というものを理解はしているけれど、自分の身に置き換えることは出来ない。ハイジでも宗教色が強いことに驚いたけれど、これはさらに顕著。そして、自分でも読んでいてはっと気付かされることがある。それは宗教とは考えなくて、人間が道徳的に生きる上でその考え方を身に着ける必要がある、それを助けるのが神。誰かを憎むことは自身もむしばむ。少女マリーはそれに気付いた。そんな彼女に、僕も気付いた。だが、マリーのように誰かを永遠に嫌わずにはいられない。本当はなにもかも受けいれられたら楽なのに。2020/07/19
森コリス
4
幼少時にアニメや各務三郎訳の原作を何度も読み、大人になってからはロケ地巡りをしてしまうくらいなのに、作者のことは何も知らず、書店でこの本を見つけた時には、迷わず購入。キリスト教に疎い自分には、理解するのに苦労したが、巻末の解説が役立った。ハイジのイメージで読み進めると、戸惑うことも多かった。それでも、ハイジのルーツを感じることができた。2018/10/12
タカラ~ム
3
「アルプスの少女ハイジ」の原作者であるヨハンナ・シュピリのデビュー作を含む初期短編作品が収められた作品集。私のように、テレビアニメ(最近だと家庭教師のCMキャラ)の「ハイジ」のイメージしかないと、ヨハンナ・シュピリという作家の素地であるキリスト教の観念が強く感じられることに戸惑うかもしれない。2016/05/25