内容説明
マルコは神を信じていたかも知れないが、当てにはしていない。神を論理的に解消したドストエフスキーはむろん神を疑っていたが、なお当てにしていた。論理と倫理が交差する虚構の現場を照らす複合する批評。
目次
キリストの小説―『カラマーゾフの兄弟』の方法(もうひとつの「福音書」;小児虐待の「思想」;「大審問官」のキリスト;ゲッセマネの「憂愁」;ペテロの「躓き」;ゾシマの「罪」と「革命」;小説の過去と未来)
論註―純粋倫理批判(「方法」のモデル;常識の「原理」;「方法」の経験;流動するアナロギア;超越論的アナロギア;純粋倫理批判;「論理」の行方)
著者等紹介
冬木俊[フユキシュン]
1951年東京都生まれ。1974年埼玉大学理工学部卒業。1975年~1990年批評同人誌『座標』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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