内容説明
ヘミングウェイの作品の基底を成すニヒリズムにおける人間の生存と、そこから表出されるアイロニーから、彼の観念を追求し作品の文学的探究を試みる。
目次
アメリカ社会における文学
『われらの時代に』―プロローグ 「視覚性」と「時間性」が生み出すリズム
激烈な「死」と「生存」の限界
アイロニーが示唆する人間存在―『インディアン部落』における「誕生」と「死」
『大きな二つの心臓の川』1.2.―「日常」と「反日常」におけるアイロニー
『第5列及び最初の49の短編』―「合理的自愛」の観念に基づく人間存在
『フランシス・マカンバーの短い幸福な生涯』―「妥協する生存」におけるアイロニー
『キリマンジャロの雪』―激烈な「死」と「生存」の限界におけるアイロニー
『日はまた昇る』―原初的感情における女性崇拝
『武器よさらば』―「ニヒリズム」から示唆された「至上の愛」〔ほか〕