ルオー

小林 利裕【著】

近代文芸社（1998/03発売）

• サイズ B6判／ページ数 134p／高さ 20cm
• 商品コード 9784773362169
• NDC分類 723.35
• Cコード C0071

目次

１　精神と肉体―『石臼を廻すサムソン』『キリストの死を嘆く聖女たち』『ゲッセマネ』
２　実像と虚像―『鏡の前の娼婦』『娼婦』『三人の道化』『法廷』
３　救いへの意志―『郊外のキリスト』『聖顔』『橄欖山』『傷ついた道化』
４　救いの仲介役―『黄昏』『月光』『ヴェロニカ』『青い道化たち』
５　神と人―『ホモ・ホミニ・ルプス』『エジプト逃避Ｉ』『エジプト逃避ＩＩ』『テレジーナ』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[mayumi225]

一枚ずつ絵をネットで検索しながら読む。1頁目からいきなり本題に入る無骨な文章から，筆者のルオーへのひたむきな愛を感じる。この筆者の文章には，自身の知見を読者にひけらかすような嫌らしさや気負いが全く感じられず，ただ筆者がその絵を見るときの目の動きを細かく細かく伝えてくれる。絵の見方という意味で，それがとても面白かった。分析は難しいところもあったけれど，筆者の地味な熱っぽさに引き込まれたし，ルオーがどう宗教と向き合ったかについて，少し輪郭が掴めた気がした。

2015/10/29