カーソン・マッカラーズ短編集―少年少女たちの心の世界

カーソン・マッカラーズ短編集―少年少女たちの心の世界

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  • サイズ B6判/ページ数 196p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784773313505
  • NDC分類 933
  • Cコード C0093

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りつこ

17
長いこと探している物語があってもしやここにあるのでは?と読んでみたが違っていた。でも、読んで良かった。子どもの心の激しさやよるべなさをここまで丹念にリアルに描けるのがすごい。変わっていくことの恐怖、一人で抱えきれないほどの気持ち。ああたしかにそうだった。子どもは大人のミニチュア版ではないのだとしみじみ思い知らされる。あとがきを読んでカーソンマッカラーズという人のことが大好きになった。2012/09/06

ソングライン

15
大人になっても思い出す幼い日の奇妙な記憶を描く「孤児院」、大人になっていく姉に対する嫌悪感がかわいらしい「あんなのはいや」、一人暮らしを始め、初めて故郷へ戻る青年の郷愁を描く「見知らぬ町」を含む短編集です。少年・少女期の不安な心情が瑞々しく描かれています。「結婚式のメンバー」に描かれる、子供の心情と関連が深い短編集です。2019/07/16

erierif

13
マッカラーズはLGBTとアーティストの性質を踏まえて現代の常識で評価し直した方が良い。そしてもっと手に入りやすくしてほしい。かつて醜悪と評価された人付き合いの不安定さにはもっともっと意味がある。『文通』はその一通目から結末の予感があって本当にうまい。『おひとよし』『ボールディ』『あんなのはいや』は身につまされ『孤児院』に私の古い記憶も刺激された。『西八十丁目の中庭』はどんどん関係が煮詰まっていく様子に追いつめられる。深く強く愛するゆえの孤独感、不安、疎外感…誰もがこの感覚を知る。愛の恐怖と張りさける悲しさ2017/07/17

algon

10
本書は少年少女たちの心の世界と副題があるが他の作品ともおおむね通底した読後感。触れ合いを求め、愛を求めるが思うようにならない焦燥感、そのひりつくような表現は変わらない。著者5冊目となったがこの本の解説を読んで初めて著者の一貫したテーマがなぜ生まれてきたのかその回答が得られたように思う。アメリカにおいて伝統的なウィーネスの意識(我々という連帯意識)が薄れ始めたが著者の描く世界はその対照にある、というもの。実生活においても周囲を辟易させるほど交際の濃さを求めた人だったと。半端な理解は危険だが何となく納得かな。2022/09/20

きたくり

2
◎再読。9つの短篇収載。『西八十丁目の中庭』『見知らぬ町』『文通』『とりつかれた少年』が好き。マッカラーズの世界にひたってしまった。2010/03/29

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