進化する地政学―陸、海、空そして宇宙へ

グレイ，コリン〈Ｇｒａｙ，Ｃｏｌｉｎ Ｓ．〉/スローン，ジェフリー【編著】〈Ｓｌｏａｎ，Ｇｅｏｆｆｒｅｙ〉/奥山 真司【訳・解説】

五月書房（2009/07発売）

• サイズ B6判／ページ数 350p／高さ 19cm
• 商品コード 9784772704793
• NDC分類 312.9
• Cコード C0031

内容説明

現代の眼で読み直した古典地政学から、宇宙時代・ＩＴ時代の地政戦略まで。欧米の国家戦略の根幹がわかる！戦略学からのアプローチで明かす現代地政学の全貌。

目次

なぜ地政学なのか
ハルフォード・マッキンダー卿―ハートランド理論の流れ
地政学者アルフレッド・セイヤー・マハン
エアパワー、スペースパワー、地理
宇宙時代の地政戦略―アストロポリティクスによる分析
批判地政学の理解のために―地政学とリスク社会
地政学　戦いの場としての国境
インフォメーションパワー―戦略、地政学と第五次元
訳者解説・あとがき―地政学の「三位一体」

著者等紹介

グレイ，コリン［グレイ，コリン］［Ｇｒａｙ，Ｃｏｌｉｎ　Ｓ．］
１９４３年生まれ。英国レディング大学政治・国際関係論学院教授。同大学院戦略研究センター所長。１９７０年オックスフォード大学で博士号を取得後、英・米・カナダの各大学で教員を勤める。英国国際戦略研究所・副研究部長就任を契機に英米の両政府のアドバイザーとなり、ハドソン研究所の上級研究員を勤め、アメリカとの二重国籍を取得。ワシントンにシンクタンクを設立し、レーガン政権では主に核戦略担当のアドバイザーを五年間勤める

スローン，ジェフリー［スローン，ジェフリー］［Ｓｌｏａｎ，Ｇｅｏｆｆｒｅｙ］
１９５５年生まれ。キール大学で博士号取得、１９８４年卒業。英国レディング大学政治・国際関係論学院講師。同大学院部長。１９８７年英国キール大学で博士号を取得後、ダートマスの英国海軍兵学校で教員や学部長などを勤める。英国の軍事関係者が集うマッキンダーフォーラムを主宰

奥山真司［オクヤママサシ］
カナダのブリティッシュ・コロンビア大学卒業。現在は英国のレディング大学大学院戦略学科博士号課程在籍中。米国地政学研究家。国際平和協会主任研究員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Miyoshi Hirotaka]

地政学は自国の視点で地球を描くこと。過去には自然地理と移動手段が国の活動領域を決定。外洋航海が可能になると補給港の獲得や海峡通過が戦略要素になった。さらに鉄道、自動車道、航空路線が変化を加えた。活動領域が広がりは、国境変更を動機付け、国家間で敵対、友好、中立を選択させた。さらに、宇宙や情報が加わった。宇宙は発射点、軌道、引力という限られた物理的要素に制約を受け、情報には国境を設ける管理が進む。温暖化により不変と思われていた自然地理にも変化が生じつつある。国家は地政学を最上位とする考え方から逃れられない。

2025/01/18

[八八]

地政学という言葉は至る所で普通に使われている言葉である。「地政学的に」という文言は政治や外交に関わるニュースで何の気兼ね無しに使われ乱用されている。しかし、地政学という分野は日本では馴染みがない。書店に並ぶ書籍も怪しい物ばかりである。この書籍は欧米の軍事や国際政治、戦略を研究する研究者が著作した地政学の論集である。地政学がどのような学問なのか覗きたい人には良い著作だろう。

2018/12/16

[Hideroh]

A・T・マハンは海軍戦略の論者として日本の海軍にも影響を与え、彼の大艦巨砲主義的な主張はよく批判の対象となってきた。しかし、彼の全著作を読んだスミダ氏によれば、彼の主張は時代によって変化しており複雑であるとのこと。その中で首尾一貫している主張を読み込んでいくと、「軍事」にとらわれない「国家戦略・政策」的な議論に気づかされる。確かに『海上権力史論』においてフランスとオランダの比較の中で、単純な地理決定論ではなく、シーパワー政策についての言及が非常に多いことがわかる。

2016/12/03

[Studies]

地政学の論文集

2012/02/20

[ろーじゃ]

試論とはいえ、スペースパワーのわくわくぶりが凄かったです！宇宙資源を制すれば、地球の運命を制する発想とスケールの大きさに感動。ランドパワーとシーパワーは、マッキンダーとマハンを取り上げた入門に適した内容です。　エアパワーは、陸海に継ぐ勢力として位置づけるには、飛行ルートや着陸地点による制限が大きく、課題が多すぎるのではないかと、個人的には思ってます。

2012/12/05