青い骨

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784772704168
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

死んでしまったものの、失われた痛みの、ひそやかなふれあいの、言葉にならぬため息の…ふと眼をあげて遠くを眺めたい気持ちを起こさせる六つの短篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

85
吉村昭氏の初期の頃の作品6編。半分ほどは氏の「自選初期短編集少女架刑」にて既読ではあるが、改めてその筆力に圧倒される。まだ結核が特効薬もなく養生するしかなかった時代を背景に書かれたものが多く、死を身近に感じる様子がうかがえる。そこに秘密をもった家族がせめぎあい、おどろおどろしささえあり、何かうずきを感じる。秀作である。2019/07/23

キムチ

61
氏の初期作品集の復刻版という冠に惹かれた。おはつ作品でもあるし、氏の作品に色が付いたものが多いので、これはよまねば!と。冒頭短編で独特の空気感にぐぃっと引きずり込まれる。学生時代、この雰囲気がたまら無く嫌で、というか怖かった。圧倒的な死の匂いが立ち込め、そこでもがき続けるしかない人間の宿命 渇いた言葉で淡々と綴る氏の文学力の凄まじさに若い私は向かい合えず、逃げるしかなかった。どの短編に若き日の氏と周囲、見るモノへの洞察が鋭利な刃の如くす~っと切り付けていく。薄い1冊なのに、折からの季節感も併せて酷く寒い。2017/01/16

キムチ

58
先日、宗教学者の島田氏の葬式不要論がベストセラーという事をネットで見た。確かに、長年介護で関わっている高齢者が死去した時点で、葬式への言及がそうなるであろうことは一理。なんだか、この本を読みたくなって・・表題は筆者の処女作、25歳時。他掲載された作品群も30歳までの執筆。この年齢で、かような匂いと色を持つ文体がと驚く。氏が結核に罹患し、肋骨を数本切除というオペを受けた心身への傷が後の創作に他者には推し量り難い影を落とした。コロナの陽性患者は若い人なら無症状若しくは思いもよらぬ形で生活の質を落としうると言う2021/01/18

ach¡

41
処女作品集とは思えぬ衝撃。初っ端から会心の一撃Σ?てくらいの滝川クリティカルな【死体】。三島氏が賞賛したという余談がなくても白眉。全編通じて残酷な描写にゾクゾクと心地よい疼きを覚え(そんな性癖があったなんて…)たじろぐ。いったん顔を覗かせてしまった嗜虐心は、大人しく元居た場所へ戻ってくれるだろうか。更なる刺激を希求するのがオチでなかろうか。己が怖い。どこへ向かう私。結核という死病に取り憑かれた若者にしか醸せない陰鬱な余情。艶かしくも静謐なエロス。たまらん!薄皮一枚残して茹でた方がトウモロコシも旨いのである2016/04/08

mondo

30
吉村昭が自費出版した幻の名作、六つの短編という紹介を見て、これは読まねばと手にした。吉村昭が20代から30代の時に書いたものだが、その後の小説を彷彿させる内容となっている。若い時から、乾いた文体で時には目を背けたくなる題材をテーマに、生と死、理性と本音について、読み手の胸に深く沁みてくるようだ。その後の小説を味わうにも、読んでおきたい一冊。2022/07/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/103060
  • ご注意事項

最近チェックした商品