目次
初期の地政学と帝国主義(地政学の定義;時代によって違う「地政学」の意味;地政学のはじまり ほか)
冷戦の地政学(アメリカ海軍の生みの親―マハン提督;平和主義者風軍事介入のススメ―ウィルソン大統領;結託はアメリカの脅威―スパイクマン ほか)
新世界秩序の地政学(冷戦後の地政学への要求;ブッシュ・パパの「新世界秩序」;フクヤマの「歴史の終わり?」 ほか)
環境地政学と反地政学(グローバルな環境と世界政治;ベックの「リスク社会」;カプランの「環境危機」 ほか)
著者等紹介
奥山真司[オクヤママサシ]
1972年横浜生まれ。日本で高校卒業後、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学入学。地理学科及び哲学科を卒業。アメリカ政治情報の研究ほか、近年はアメリカの保守思想や政治メディア、国際関係論などの解析を手がけている。米国地政学研究家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ceskepivo
5
20年前の本だが、内容は古くない。著者は、日本の安全保障上の選択肢は、①米国(現状維持)、②独立独歩、③中国、のいずれしかなく、現実的には、①と説く。ただし、問題は、米国の覇権力が落ちていること。この20年前の指摘は、最近、ますます深刻なものとなっている。2025/04/21
Meistersinger
5
ラッツェルらの古典地政学に始まる地政学=国際戦略論をまとめた本。個々人のエピソードや時代背景も述べられて分かりやすいものになっている。第六章「環境地政学と反地政学」は、通常の地政学の「国家と軍事・経済」という枠組みへの異議申し立て(環境問題の安全保障要因化、サイードの『オリエンタリズム』=地域への思い込みへの反論、ジェンダー論によるマッチョ幻想への反対)について説明。2014/12/27
kazutoshi
3
地政学の入門書と言ってもいい位分かりやすく地政学の事を書いてある。本書を読むと、世界が地政学の理論をどう使い現実的な外交、安全保障の政策を作っているのかが理解できるだろう。そして、そのような地政学の理論やパワーポリティックで世界は動いている事は、「平和」な日本人には認めたくない事実かもしれない。2012/11/30
in medio tutissimus ibis.
2
地政学冬の時代の本。20年後たって、地政学本が珍しくもなくなり、日本が自由で開かれたインド太平洋と称してGDP2位になった中国封じ込め政策の音頭をとってるのは隔世の感がある。マハンだのマッキンダーだのは知っていたけど、地政学は地理+政治だが英語のジオフラフィックは土地+描写だからもともと政治色があって地政学も学問というよりバリバリ政治だよ、本場のアメリカがそもそも学問と政治の垣根が薄いよ、という前提の部分は知らなんだ。政治というかリアリズムの根底にあるパラノイアな部分がアメリカ関連に漏れ出ててちょっと怖い2024/05/01
kyhitsuji
2
三年以上放置して読んだ。2014年だから丁度この本が出版されて10年。意外と内容に古い感じは無いです。歴史的な地政学者や色々大切な用語の意味が書かれている。 話題にしている事は下記の通り。とても興味深いテーマばかりでした。 ”ヨーロッパは西にある半島””映画と政治””雑誌による冷戦””CNN効果””同情疲れ””湾岸戦争よりも有名なボステア介入””男らしさが米大統領に与える影響””環境問題は政治””国家を女性に例えて煽る方法”等々2014/07/01