内容説明
特殊法人の改革など、ようやく具体的な姿が見えつつある小泉構造改革。しかし公益名のもとに強大な利権を握る官僚たちの反撃はこれからなのだ!そして「公益」を演出する役所のキーマンこそ本書で取り上げる官僚技官たちなのである。学校建設に絶大な力を持つ文部技官、土建国家を田中角栄とともに作り上げた旧建設技官など、知られざる官僚、「技官」の実態をあますところなく紹介し、これからの政治改革の要諦を指し示す。
目次
第1章 公共事業はだれのためか
第2章 「技官」とよばれる官僚たち
第3章 田中角栄「解放理論」がもたらしたもの
第4章 国土交通技官
第5章 農林水産技官
第6章 知られざる技官王国―文部科学省、厚生労働省にみる
第7章 公共選択論の視点からみる
著者等紹介
西川伸一[ニシカワシンイチ]
1961年新潟県生まれ。1990年明治大学大学院政治経済学研究科政治学専攻博士後期課程退学。同年明治大学政治経済学部専任助手、1993年同専任講師、2000年同助教授
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感想・レビュー
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ヤギ郎
11
日本の官僚機構に関する研究書。国家公務員(官僚)の採用において、一定数の「理系」を採用する。彼ら理系官僚は土木や医学、薬学を学んでいたことから、国交・農水・厚生の政策に深く関与していく。国家の仕事の一つとして大型建設プロジェクト(箱モノ)の遂行がある。箱モノから利権を得る政治家、箱モノに精通している官僚、そして箱モノを建設する地元に鉄の三角形が形成されていく。本書前半は、現在の官僚制度や、公共事業の歴史的経緯について書かれている。後半は、行政学の視点から「官僚技官」をみつめる。(2002年出版。)2020/06/17
Keiko Yamamoto
1
日本の隅々まで同じ構造がある。 公共事業、農政、原子力村、感染症村、などなど。新しくはIR, UR, IT。闇は深く底無しだ。2021/06/20
shi5253
0
数少ない技官の本2023/05/09