内容説明
東京控訴院長大塚正男の長女として生まれ、東京女子師範付属女学校を首席で卒業した文学少女楠緒子は、美学者小屋保治を婿養子に迎える。文学的出発は、佐佐木弘綱・信綱の竹柏園からであったが、森鴎外の『水沫集』などの影響を受け、ハイネ、ゲーテの浪漫主義に引かれる。翻訳はハイネ、メーテルリンク、ゴリキー、ホーソーンなどの作品がある。
目次
翻訳(ゲーテがスタイン夫人に送れる文の中より・ゲーテ著(心の花・明治34年2月)
うつせみ・原著者不記(心の花・明治34年3月)
をさな児の最期・メーテルリンク著(女学世界・明治35年1月) ほか)
創作(志のび音(文芸倶楽部・明治30年1月)
四つ角(女鑑・明治35年6月)
お百度詣(太陽・明治38年1月) ほか)
評論(日記のうち(女鑑・明治39年4月)
『破戒』を評す(早稲田文学・明治39年5月)
女学生時代の大塚楠緒女史(ムラサキ・明治40年2月) ほか)
追悼(逝ける大塚女史(中央新聞・明治43年11月13日)
大塚楠緒子女史逝く/最も静なりし生涯(二六新報・明治43年11月13日)
故大塚楠緒子女史と筆蹟(婦人画報・明治43年12月) ほか)