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内容説明
20Cの“大変動”を経て、人類はどこへ向かうのか?文化・アート・科学を自在に横断し、新たな希望を見出す冒険が始まる。
目次
相対性―世界のヘソが消えた
モダニズム―割れた視点
戦争―帝国の崩壊とテクノロジー
個人主義―男も女も一人ひとりが一個の星
イド―操られる無意識
不確定性―生きていると同時に死んでいる猫
サイエンス・フィクション―単一神話から複雑な物語へ
虚無主義―生は絶望の向こう側で始まる
宇宙―人類は月へ行き、地球を見つけた
セックス―女性を解放しなかった性革命
ティーンエイジャー―反逆者のジレンマ
カオス―自然は予測不能で美しい
成長―経済と環境がぶつかるとき
ポストモダン―「知の底なし沼」から「確かさ戦争」へ
ネットワーク―他者とつながる力の未来
著者等紹介
ヒッグス,ジョン[ヒッグス,ジョン] [Higgs,John]
ライター。文化史家。『ガーディアン』、『インディペンデント』、『デイリーミラー』、『モジョ(音楽誌)』などに寄稿。ブライトン(イングランド)在住
梶山あゆみ[カジヤマアユミ]
翻訳家。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
17
相対性理論からセックスまで、様々な切り口から20世紀のツァイトガイストを描き出すノンフィクション。著者はイギリスの著述家、文化史家。20世紀はありとあらゆる意味で中心点(本書ではギリシア語で臍を意味する「オンパロス」という言葉で表現される)が失われ、旧来の価値観が相対化され、多元化されていった時代であるとする。フクヤマの「歴史の終わり」とは程遠い、次の21世紀に巻き起こる多元的価値観のネットワーク化の先触れとして20世紀を捉えている。そう言われればそんな気もするし、ちょっと強引な気もするが、まあ楽しめた。2019/11/18
武井 康則
11
20世紀が今までと違う時代精神であったことを示す象徴として、著者はまず第1章「相対性」で、アインシュタインの理論が、絶対の否定であることから説明していく。20世紀は軌を一にしてすべての分野で中心の喪失、個人の孤立を深めていく。章ごとに20世紀のあらゆる分野の有名人が出、そのエピソード、事件が時代精神に影響され、体現し、それを補強していく。会社が国の力を超え、格差が拡がり、現代がまさに今の姿となる様を描いていく。その分かりやすさ、魅力ある語り口は、「はじめに 暗い森を巡る冒険」に如実に示されている。 2020/08/23
funuu
7
アインシュタインの発想から核兵器がうまれる。フォン ブラウンがヒトラーにV2をつくらせる。ブラウンは昔ならったのではアポロ開発の英雄だった。本書によると彼の夢は宇宙旅行を実現すること。そのためにはナチ党員になり強制労働でV2。アメリカに取り込み当時ソ連のコロリョフのスプトーニクに負けたていたのをケネディが何とかしよ打とうと「月に人を送る計画」フォン ブラウンはこれを利用。やがてICBMになっていく。コロリョフもスターリンの粛清にあいシベリア送り。こちらも宇宙旅行キチガイ。24時間働きます人間、2021/09/02
Shori
2
久しぶりの前情報なし読書。20世紀の人類史を、絶対的な価値が失われた時代として語る。相対性理論を皮切りに、アート、政治、科学、SF、経済、思想、社会運動まで射程は幅広い。個人主義の反動が地方移住や”推し”消費につながっているような気もする。資本主義の限界、成長の限界、環境の限界を前提に、”次”を模索する動きが生まれていることも今世紀らしいともいえるか。2022/12/11
わんにゃん
2
二十世紀初頭に芸術、政治、音楽、科学などの多様な分野がほぼ同時期に似たような飛躍を遂げた。これは、芸術家や思想家がアインシュタインの一般相対性理論からヒントを得ようとするあまり研究を曲解したわけではない。発表される前からすでに何人もの芸術家が複数の視点を一つに集約する方法がないか模索していたのだ。2022/01/28