出版社内容情報
米澤好史[ヨネザワヨシフミ]
著・文・その他
内容説明
長年、保育や教育、福祉の現場で、愛着の問題がある子どもを支援してきた著者が、愛着障害の背景や特徴をやさしく解説。また発達障害との違いとその見極めのポイント、対応や支援の仕方を具体的に紹介します。
目次
第1章 愛着障害と聞いてどんなこどもを想像しますか?(愛着障害について考える際に大切な視点;愛着障害はどのような原因で起こるのか? ほか)
第2章 「愛着障害」の特徴(愛着障害を「愛着の問題」として捉える;愛着障害の具体的特徴)
第3章 「愛着障害」と「発達障害」を識別する(愛着障害と発達障害の見分け方;愛着障害と発達障害の関係)
第4章 愛着障害への支援法としての愛着修復プログラム(愛着障害への適切な支援のために;「愛着障害」と「発達障害」が併存している場合の支援)
第5章 効果的な支援のために(現場でよくある、「困ったな」「どうしよう?」の相談から)
著者等紹介
米澤好史[ヨネザワヨシフミ]
和歌山大学教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
39
社会学でもデータを取りモノにして表現しようとするが、人文学の良いところは見えないものを見えるようにしてくれるところだ。この両者の分割線が心脳問題だというのがぼくの見立てだが、他の例が精神疾患における心的機能(心)と器質的機能(脳)である。愛着障害とは、見えないもの(心)を見せてくれる言葉の発明だと思っている。岡田尊司以外の論者の本を初めて読むと、愛着障害の切り口が全く違うことに言葉の怖さを感じると共に、新たな発見も沢山あった。著者の場合は対象化されているため残酷でもあり、同時に明確でもある。トラウマ障害と2022/11/06
せっかちーぬ
6
発達障害と一緒くたにされがちな愛着障害。愛着障害は後天的に周りの人と関係性を築けなかった関係性の問題。発達障害は先天的特性。これまでよく見てなかった。専門家があまりいないのだから、素人にはもっと難しい。観察の大切さ、対応の仕方が分かった。表は役立つ。専門医がほとんどいない、親の会もない分野。苦しいところ。キーパーソンの会ができればいいけど。2023/01/02
がりがり君
3
幼い頃このタイプと友達だったからよくわかる。彼ら葉相手のことを目上と認めるとペコペコしだして、目下と思うと支配したがる。だから介入も犬のトレーニングに何処か似てる。他の事例も知ってるから言うけどこういうのはまず精神医学界に障害だと認めさせるのが大変だ。だから今わかってることベースに話を進めればいいのに、著者が教育畑の人間だからか何処か独りよがりなとこを感じさせる。最後の章のケーススタディで発達障害と併発してるケースがやや目立った。やはり発達障害を持つとこういう支援に手が届きやすいのか。2023/10/10
マイ
2
ADHDとASDとADを混同するな、安心基地→安全基地→探索基地を作る支援をせよ。そのためにはキーパーソンが行動と感情の主導権を握る必要がある。なるほどパーソナリティ障害は愛着障害で説明がつきそうだ。だがキーパーソンの負担が大きすぎる。大人になったらキーパーソンになってくれる人なんて滅多にいない。キーパーソンがいない場合は自分の中にその機能を期待できるものを想像することでも可能だそうだ。ほんとに?!大人の愛着障害修復について詳しく知りたい。ただ他の支援者へのディスリが酷くて読むの疲れる。 2023/08/19
るるはな
0
ASDとの合併の場合の支援についてや、愛着の器の型があるという説明が参考になった。主導権と主体性、先手支援、ステップではなくフェーズなども大事なところだと感じた。2023/03/20