内容説明
「性暴力」について語ろうとする人の口を、ふさぎ続けてきたわたしたちの社会。それでも声を上げ続け、問題を明らかにしてきた人たちがいま、伝えたいこととは―。
目次
第1章 世界で、日本で、立ち上がった#MeToo(アメリカにおける#MeToo(渡邉葉)
2017年の#MeToo(伊藤詩織) ほか)
第2章 性暴力の犠牲になる未成年者(性被害に遭う未成年たち(上間陽子)
少女たちが性犯罪の被害に巻き込まれていく(仁藤夢乃) ほか)
第3章 性暴力をめぐる課題(被害者がバッシングされる歪んだ社会(牧野雅子)
痴漢という性暴力(杉本志津佳) ほか)
第4章 過去から学ぶ わたしたちはどれだけ前進しているか(戦時性暴力 日本軍「慰安婦」(梁澄子)
災害時の性暴力(正井禮子) ほか)
第5章 性暴力のない社会をつくるために(わたしたちは声を上げる(山本和奈)
キャンパスレイプをなくすために(創価大学/BeLive Soka) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
78
読み友様からのご紹介本です📚1990年代までは痴漢や性被害に遭うと「女性が悪い」「恥ずかしい事」とされて来た。そして、若い女性は電車に乗ると痴漢に遭うのは当たり前だとされて来た。酷過ぎる😡😡😡有名な伊藤詩織さんが父親ほどの年齢の人に性暴力を受けた事件を受けて女性達が次々と声を上げて来たと思う。女性が言う嫌は嫌。本当にめっちゃくちゃ嫌なんですよね😡😡😡ハリウッド女優を30年もの間食い物にして来たプロデューサーの顔は悪魔にしか見えない。2022/05/09
とよぽん
47
様々な分野の専門家、支援活動をしている方々、そして被害当事者の視点を通して、日本の性暴力の根深さ、深刻さ、そして加害側の利己的な思考判断および行動に斬り込んでいく。電車などの乗り物の中で痴漢被害に遭う女性は3人に1人!? 驚いた。そして日本は痴漢に無策というか甘い社会であるという。なぜ??? 心から安心して暮らせる社会にしていくために、私たちは声を上げなければならない。そして、勇気を出して声を上げた人に対して、支え、応援しよう。2022/01/26
たまきら
35
性暴力に苦しむ人々、支える人々のさまざまな言葉が紹介されている素晴らしい本です。被害者に男性がいることもきちんと描いている本は少なく、そこも満足できました。また、問題点にも気づかせてもらえます。日本の性交同意年齢は13歳。中学一年生ですよ!?被害者を非難する風潮は伊藤詩織さんのケースで証明済み。法整備の必要性も強く感じました。まだまだ先は長いけど、黙らないで支えあって変えていけたら…強く思いました。ぜひ男の子ともこういう話をしたいです。2022/02/04
katoyann
15
性暴力問題について研究者、医師、支援者など様々な立場の識者が考察した本。レイプ被害を受けて実際に誰かに相談したという人の割合が36%と低い。警察に届け出た人の割合となるとわずか5%(内閣府調査)。衝撃的な事実だが、性暴力被害者のショックはそれほど大きいということだ。また大学生女子の4割が性被害に遭っているというのも衝撃だった。ワンストップセンターを知らないという問題もあり、早い段階から性被害に遭ってしまった場合の相談機関先の周知や対応法を教えなければならないと思った。2024/04/07
tellme0112
4
信田さよこさんのレポートについて、私も衝撃を受けた。『プリズン・サークル』みたいにはいかないのか…。