内容説明
女性たちによる女性たちのための150年の闘い。2018年ノルウェー文化省児童書賞最優秀賞(ノンフィクション部門)。2019年ボローニャ・ラガッツィ賞優秀賞(ノンフィクションの部)。『THE GARDIAN』の「The best childrens’ books of 2018 for all ages」選出。
著者等紹介
ブレーン,マルタ[ブレーン,マルタ] [Breen,Marta]
1976年生まれ。ノンフィクション作家。イェニー・ヨルダルとの共作に、文化省青少年向けノンフィクション賞に輝いた『エフ・ワード―フェミニストでいる155の理由』がある
ヨルダル,イェニー[ヨルダル,イェニー] [Jordahl,Jenny]
1989年生まれ。イラストレーター・漫画家・グラフィックデザイナー・作家。オスロ国立芸術大学卒業。環境教育漫画『緑』はじめ多くの作品にイラストで参加し、数多くの賞を受賞
枇谷玲子[ヒダニレイコ]
1980年生まれ。富山県生まれ。2003年、デンマーク教育大学児童文学センターに留学。2005年、大阪外国語大学(現大阪大学)卒業。在学中の2005年に翻訳家デビュー。北欧の書籍を翻訳紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とよぽん
43
図書館で、ただならぬ激しさを感じる表紙が私を呼んだ。奴隷解放、参政権、教育を受ける、職業に就く、女性自らが自分の体をコントロールする(性と生殖の自由)、など19世紀後半から現代まで、約150年の女性たちの闘いを、ノルウェーの作家が書いた。これが海外で少女や若い女性たちに読まれている。ついこの間読んだ「女たちのテロル」に詳しく書かれていたサフラジェットたちの活動も描かれている。先人が命懸けで獲得した権利を、私たちは「棚ぼた」感覚で扱っていないだろうか?投票率の低さが如実に語っている。2020/01/04
更紗蝦
32
参政権・教育を受けて職を持つ権利・身体の自己決定権などの獲得を目的とした「女性たちによる女性たちのための150年の闘い」を追った、コミック・ストリップ形式の本です。最初は「女性キャラが可愛くないなぁ…」などと思ってしまいましたが、自分のそんな感覚にすぐに反省しました。この本で取り上げられている女性たちの闘いには、そういう「男に都合のいい女性像」への抵抗も含まれており、彼女らは決して男に頭を下げて“懇願”したり、男をおだてて良い気持ちにさせて“ご褒美”を貰うような方向性の戦略はとっていません。2020/09/17
ツキノ
23
ノルウェー発、女性による女性たちのための150年の闘いを描いたコミック。外国のコミックは絵柄に違和感を持ってしまうものが多い印象だったけれど、これは作風も含めとても好きだ。巻末に牟田和恵(大阪大学 ジェンダー論)による解題あり。2021/03/06
くさてる
23
男女同権を求める女性活動家たちの活動の歴史を描いた海外マンガ。時代を追った展開で読みやすく、迫力もあって面白かった。こういう形で歴史を知るきっかけがあってよかったです。2019/08/31
shiho♪
16
バンド・デシネというフランスのマンガで描かれた150年に渡る女性たちによる女性たちのための闘い…。この本が意味するものはとても深い。 まずは歴史。女性が参政権や自己決定権を獲得するまでの様々な女性たちの闘い。北欧では本書が児童書として浸透しているらしく、子どものうちから女性たちが犠牲を伴って今の権利を勝ち取ってきた事が学べるということ。日本ももっと力を入れて女性の歴史について学ぶべきだと思う。女性蔑視の発言や医大入試の女子の点数操作など男性も女性も歴史から学んで意識を変えていかなくてはいけない。→2021/02/12