内容説明
長年研究者として動物実験に携わった著者が、自ら行なってきた動物実験業務の過去を振り返る。決して外部に明かされることのない動物実験の実態を、内部関係者の目線から包み隠さず描き出す衝撃の話題作。
目次
動物実験者になるまでの話
下垂摘ラット―その体重を測り殺す仕事
LD50―半数致死量を調べるという蛮行
被曝ラット―危険と隣り合わせの任務
腫脹ラット―強制投与と奇妙な装置
潰瘍ラット―体内から腐敗させるおぞましい実験
潰瘍犬―絶食状態で死を待つだけの運命
新しい生活を始めたひどい動物愛好家
再就職―そして新たな迷宮へ
苦痛の行進―「マウシュビッツ」と動物の各種処刑法
コレラ中毒ラット―糞尿まみれになりながら得られるものとは
宙を舞う猿たち―そこにいるものすべてを狂わせる環境
鉄に冒される猿たち―朦朧と覚醒を繰り返し、解剖される
鉄に冒される犬たち―芝生の上を歩くことなく死んでいく愛嬌者
泥を盛られる猿たち―研究者に感情はいらない
そして転身へ
著者等紹介
スラッシャー,マイケル・A.[スラッシャー,マイケルA.] [Slusher,Michael A.]
生物学研究員として長年勤務した後、より自身の倫理観・道徳観に適合する仕事を模索する。研究員引退後も動物への関心を持ち続け、人類学の学位を取得。専攻は動物考古学(人間の考古遺跡で発見される動物遺骨の研究)
井上太一[イノウエタイチ]
翻訳家。日本の動植物倫理・環境倫理を前進させるべく、関連する海外文献の紹介に従事。語学力を活かして国内外の動物擁護団体との連携活動も行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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