出版社内容情報
子どもたちの原発事故に対する理解を深め、異なる見解の情報やそれらを批判的に見る力を育てるための「家庭科」授業の実践集。「家庭科」は、自分たちの日々のくらしから、くらしと自然・社会・政治の関係に目を向け、人と自然、人と人とが共生する社会を実現するための「いのちとくらし」の具体を学ぶ教科です。
福島原発事故は、「いのちとくらし」を破壊する事故でした。いま、事故から5年が経過し、この出来事が風化していく懸念のなか、教育はこの課題と無関係であってはならないと考えます。
本書は、子どもたちの原発事故に対する理解を深め、異なる見解の情報やそれらを批判的に見る力を育てる「家庭科」授業の実践集です。
■実践編
1 食品と放射線
1 日本の伝統食「みそ汁」から「食の安全」を考える
2 調理によって放射性物質は減らせるのだろうか
3 海外と比較して日本の放射能測定のあり方を考える
2 エネルギーと原子力発電
4 将来のエネルギーについて考えよう
5 エネルギー問題を考えよう──「ぐるぐるミーティング」と「花はじき」で意思決定
6 これからの日本の「原発」を考えよう
7 持続可能なエネルギー源は、必要な電気量を「つくれる」か「かなり無理」か
3 くらし・子どもへの放射線の影響
8 原発事故後の子どもの健康と放射線
9 原発事故と住まい─避難した人の思い・避難しなかった人の思い
4 健康と放射線
10 子どもの健康と放射線─絵本やビデオの視聴、実習を通して考えよう
11 『美味しんぼ』の鼻血論争から、原発災害の健康問題について考える
12 「甲状腺がん」─原発事故による健康被害を考える
5 科学と科学技術
13 「除染」によって放射線量を減らす意味を考える
14 原子力発電は、なぜ開発され続けてきたか
15 「ヨモギ団子づくり」から考えはじめる放射能と科学・技術の授業
■解説編
1 放射線の身体への影響および安全基準
2 原子力発電に対する異なる見解
3 放射能汚染地域に定住するか・避難するか
家庭科放射線授業づくり研究会[カテイカホウシャセンジュギョウヅクリケンキュウカイ]
東日本大震災から半年が経った2011年10月末、「『いのちとくらしを守る』ことを標榜する家庭科教育が、東日本大震災を教材にした授業をしないわけにはいかない」という考えに賛成する個人が、地域を問わずに集まって発足。メンバーは家庭科教育に携わる小・中・高等学校・大学の教員からなる。研究会では、「家庭科とは何か」という本質的なテーマについての討論をはじめとし、各自の授業計画の試行実践、その報告と相互の検討、新たな教材や資料の用意・作成、授業計画の再修正と再実践をくり返し行なっている。
内容説明
子どもたちの原発事故に対する理解を深め、異なる見解の情報やそれらを批判的に見る力を育てる「家庭科」授業の実践集です。
目次
実践編(食品と放射線;エネルギーと原子力発電;くらし・子どもへの放射線の影響;健康と放射線;科学と科学技術)
解説編(放射線の身体への影響および安全基準;原子力発電に対する異なる見解;放射能汚染地域に定住するか・避難するか)