世界の富を再分配する３０の方法―グローバル・タックスが世界を変える

上村 雄彦【編著】

合同出版（2016/04発売）

• サイズ A5判／ページ数 142p／高さ 21cm
• 商品コード 9784772612210
• NDC分類 345.1
• Cコード C0036

出版社内容情報

貧困や格差、環境破壊など世界が抱えている深刻な問題、同じ世界で、たった１％のお金持ちに富が集中する現状、その２つを同時に解決できる革新的な税のしくみ、それがグローバル・タックスです。
グローバル・タックスは、地球上の富を再分配し、世界を変える可能性を秘めているのです。

第１章　世界が抱える深刻な問題
１　地球を悩ます貧困・環境破壊・紛争
２　一瞬にして世界に不幸をまき散らす金融危機
３　富める人は富み、貧しい人はどんどん貧しくなる世界
４　ODAでは地球の問題は解決できない　金子文夫
５　CSR、BOPの手法では世界の貧しさは解決できない
第２章　世界のお金が１％に集中するしくみ
６　世界経済が資本主義的市場原理で一体化すると……
７　地球上のおカネと資源を貪る多国籍企業
８　実体経済の数十倍にも膨れ上がったお金の売り買い
９　１％の大金持ちに富が集中する世界のしくみ
１０　マネーゲーマーたちの天国　タックス・ヘイブンのしくみ
１１　地球問題を解決するのにいくらかかるのか
第３章　地球規模で税金を集め、分配するしくみ
１２　グローバル・タックス（国際連帯税）はこうして生まれた
１３　グローバル・タックスってどんなしくみ？
１４　トービン税がグローバル通貨取引税へ進化した
１５　国際社会で税金を集めるルールはどのようなものか？
１６　炭素に税をかけて、温暖化を解決する方法
１７　武器の売買に税をかければ、武器取引も抑制される
１８　飛行機に乗ることで、三大感染症の対策に貢献できる
１９　グリーン気候基金で温暖化対策の資金を調達する
２０　グローバル・タックスで運営される国際機関が出現すると…
第４章　金融取引税のとりくみ
２１　金融は、経済の血液
２２　EU金融取引税の実施で、310億ユーロの資金が見込まれている
２３　世界ではじめてEU10カ国が金融取引税の実施に合意した
コラム?C　誤解されがちな金融取引税
第５章　いま、私たちが抱える問題は
　　　　武力や資源の争奪では解決しない
２４　世界の問題を解決する資金源革新的開発資金を創り出すために
２５　集めた税金を活用する最適な機関をつくる
２６　99％のための国際連帯税キャンペーン
２７　なぜ、世界の労働組合は国際連帯税を求めるのか
２８　国際連帯税を導入するためのルールづくり
２９　日本でグローバル・タックスが実現・導入される道筋
３０　世界の問題を私たちの手で解決するために

【著者紹介】
1965年大阪生まれ。大阪大学大学院法学研究科修士課程、カールトン大学大学院国際関係研究科修士課程修了。1993年カナダ国際教育局、カナダ日本関係担当官。1994年国連食糧農業機関（FAO）住民参加・環境担当官。千葉大学地球福祉研究センター准教授を経て、横浜市立大学国際総合科学部国際教養学系国際文化創造コース准教授。2012年学部内改組により現職。現在、国際都市学系長兼グローバル協力コース長。国際連帯税推進協議会委員。主な著書：『グローバル・タックスの可能性』（ミネルヴァ書房）、『世界の貧困問題をいかに解決できるか』（共編著・現代図書）など。

内容説明

地球はいま、さまざまな問題を抱えています。―環境破壊、温暖化、格差、貧困、紛争…すべては、わたしたち人間が引き起こした事態です。これから先、この地球をどんな手段で守っていったらいいのか？！富の再分配によって、持続可能な地球を実現する術がこの本にはつまっています。

目次

第１章　世界が抱える深刻な問題（地球を悩ます環境破壊・貧困・格差・紛争；一瞬にして世界に不幸をまき散らす金融危機　ほか）
第２章　世界のお金が１％に集中するしくみ（世界経済が資本主義的市場原理で一体化すると…；地球上のおカネと資源をむさぼる多国籍企業　ほか）
第３章　地球規模で税金を集め再分配するしくみ（グローバル・タックスってどんなしくみ？；グローバル・タックスはどうして必要なの？　ほか）
第４章　金融取引税で世界が変わる（カジノ・ゲームのようなグローバル金融；金融取引税に期待されていること　ほか）
第５章　グローバル・タックスの実現に向けて（世界の問題を解決する革新的開発資金を創り出すために；集めた税金を活用する最適な機関をつくる　ほか）

著者等紹介

上村雄彦［ウエムラタケヒコ］
１９６５年生まれ。横浜市立大学教授。大阪大学大学院、カールトン大学大学院修了。博士（学術）。国連食糧農業機関、奈良大学、千葉大学を経て、現職。専門は、グローバル政治論、グローバル公共政策論。革新的開発資金に関するリーディング・グループ専門家なども務める（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[kiho]

世の中の仕組みがどんどん変わる中、いろんな転換が必要？個々人も…！。

2017/09/12

[えいこ]

グローバル化、社会の市場化は、瞬く間に進んだように感じる。富の偏在、格差と貧困の拡大も加速する一方。再分配が必要なことも、地球がこのままでは立ち行かないことも理解する。グローバル・タックスがその解決になることもよくわかる。実現に向けて、EUを中心に様々な取り組みが行われていることを知り、少しだけ希望も感じる。しかし、地球規模で税制を確立するステップを読むと気が遠くなる。でも、まずは知るところから始まる。奴隷制もアパルトヘイトの撤廃も、声を上げ、行動し続けてきた結果。将来世代のために一歩でも進まなければ。

2022/04/26

[Taka]

読みやすく興味深いシリーズ見つけた。人間というのは、自分のことばかり考える生き物である。いや、俺は家族や恋人のことを、第一にしていると言ってもそれも延長線。富が少数に集中しているのは事実。日本だったらまたインフラやらが整っているので自分の生活はなんとかなるかもしれないけど他のことまで考えられる人はそういない。絶対にそこから逃げ出せない人もいる訳で。税金は払いたくないけど、理解できる教養を持ちたい。実際に動いている欧州諸国を見ると、日本の政治や全体的な人間性の未熟さよ。私もその1人。未来を考えられるか？

2020/12/17

[FKtaro]

たった62人が世界の36億人分の富を所有している。6秒に1人貧困や栄養失調で幼い命が消えている。じゃあどうしましょうという本です。中学三年生ぐらいで理解できるようにということなので、少々性善説頼りのロマンチシズムに過ぎるところが有りますが、ぜひとも子供には世界を変えることができると思って読んで欲しい。

2016/08/23

[しまちゃん]

グローバルタックスとは何か？なぜグローバルタックスが必要なのか？について分かりやすく説明しています。「どこかの国や地域で金融危機が起こればすぐに世界に伝播し、日本経済にも大きなダメージを与えます。」したがって「日本政府に限らず、これまで世界各国の政府は、「自国民の利益（国益）」と「世界のみんなのためになること（地球益）」は基本的に異なり、ときに対立するものと考えてきました。・・・しかし、問題が瞬時に地球規模にまで拡大し、一国だけでは対処しきれず、・・・発想の転換」をしなければならないと説明しています！

2016/09/28