内容説明
豊富な資料や証言をもとに、「慰安婦」問題を正しく読み解く。中学生から読める必携ガイドブック。
目次
第1章 日本軍「慰安婦」制度の仕組みと実態(日本軍「慰安婦」制度とは;慰安所は、誰が、どのような目的で作ったのですか? ほか)
第2章 「慰安婦」制度の被害と実態(どのような女性たちが、どこへ連れていかれたのですか?証言(「慰安婦」被害者)
慰安所での生活はどのようなものでしたか?
証言(「慰安婦」被害者) ほか)
第3章 日本政府の対応と各国・国際機関の反応(被害者を置き去りにした日本政府;日本で行われた日本軍性暴力被害者裁判 ほか)
第4章 女性国際戦犯法廷とNHK(女性国際戦犯法廷が開かれた;女性国際戦犯法廷がもたらしたもの ほか)
第5章 教科書問題と「慰安婦」記述(教科書問題って何ですか?;年表教科書攻撃と「慰安婦」記述の変遷 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
9
映画「主戦場」の鑑賞のために勉強用に手に取ったが、慰安婦問題について端的かつ明確に整理された良書だった。写真や地図の資料も理解を助けてくれるが、特筆すべきは元慰安婦の方や加害者の側のインタビューが掲載されていることだ。来歴や写真からは人となりがわかり、一層その惨たらしい被害の語りが読んでいて息苦しかった。私見だが、自らの歴史をしっかり直視し受け止め、それを乗り越える形でこそ保守や愛国のかたちなのではないか。慰安婦問題をはじめ近現代史から学び汲む事柄はあまりに多いが、まだまだ勉強していきたい。2019/08/06
け
1
一部。「やまとなでしこがなんで“こんなところ”にいるんだ」(強調引用者)というセリフに、端的に朝鮮人蔑視も性労働蔑視も入っている…と言いたいところだけど、慰安所で切符は「一度も換金されなかった」というのだから「慰安」は労働としてもおかしいし、そもそも看護師になれると騙したり強制連行したりしていておしなべて不同意性交なのである。どうせ死ぬんだから自分だけはいい思いをしていいと思った、先輩に誘われて、…「性暴力を伴わない戦争は存在したのか」←調べる価値はある。除斥とか言わずに日本国政府は大日本帝国の罪を贖え。2025/03/30
たろーたん
1
「狭義の強制連行はなかった」という安倍晋三以外にも、多くの政治家が慰安婦に対する問題発言をしてるのね。中山成彬「やっと最近になって従軍慰安婦とか、強制連行とか、そういう言葉が減ってきて本当に良かった」。麻生太郎「(米国下院の「慰安婦」問題に関する決議案について)私どもから見て、客観的な事実には全く基づいておりませんので…(略)甚だ遺憾なものだ」。(続)2024/09/12
Miki Shimizu
1
いろんな資料をもとに、「慰安婦」についてまとめてある。日本政府の対応ってのが、残念感満載。裁判はことごとく敗訴、棄却だし、政治家の残念発言、教科書で全然扱ってないことなど。ごめんって言ったら負けみたいな感じなんかなー?悪いことしたらごめんなさいって言えるのが人として大事やと思うけどー。2014/08/18
ねぎとろ
0
簡単なパンフレットと思いきや、なかなかしっかりとした作り。史料と証言をバランスよく配置して、この問題の全体を見渡せるようになっている。フィリピン・オランダ・台湾、東ティモールにまで慰安婦問題があり、日韓問題に矮小化できないことが知れる。この本だけでも、吉田証言云々で騒ぐことがいかに馬鹿らしいことかわかりそうなものだけどもの。2014/11/09