内容説明
「改憲派」の小林節氏と「護憲派」の伊藤真氏。改憲には意見を異にする点もあるが、立憲主義を否定する自民党の改憲草案への批評では意気投合!改憲草案のなにが、どう問題なのか、草案作成のプロセスもよく知る、憲法研究の第一人者である2人が、徹底的に論じ合う。
目次
第1部 添削編―自民党憲法改正草案への赤字添削
第2部 対談編―小林節×伊藤真「自民党憲法改正草案はなぜダメなのか」
著者等紹介
小林節[コバヤシセツ]
慶應義塾大学法学部教授・弁護士。1949年生まれ。元ハーバード大学研究員。憲法学
伊藤真[イトウマコト]
弁護士・伊藤塾塾長・法学館憲法研究所所長。1958年生まれ。81年東京大学在学中に司法試験合格。現在は塾長として、受験指導を幅広く展開するほか、憲法問題の講演のため全国各地を奔走している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
67
ここで問題にしている草案は2012年4月に自民党から出されたもの。この本が出版されたのは2013年7月。残念ながら、彼らの悲願もむなしく2015年9月19日、憲法の改正もないままに平和安全法制整備法、国際平和支援法が可決され、日本は集団的自衛権を行使して海外に兵を送ることが認められるようになった。憲法とは99条に「天皇または摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員はこの憲法を尊重し、擁護する義務を負う。」とあるように、国民が権力行使者に規制を加えるものである。その縛りを無視して目指すところは?2016/06/29
bonbon99
3
自民党憲法改正草案にダメ出しくらわす!というタイトルでまず、現行憲法と改正草案の比較、小林氏、伊藤氏の2人の草案への添削そして、対談形式で本論が進む。冷静かつ真面目に草案について、批判をしていて、中にはこれはいいというものもあります。読んでいて、読みやすく草案を理解するには、もってこいの本だと思います。この草案に対する自分の意見を言わせていただくと、第一印象として、ヨーロッパ、アメリカの近代憲法の根幹をなすす部分や歴史の変遷を無視するもので、大変許しがたいものだという感想です。2016/10/24
yo yoshimata
3
いわゆる改憲派といわゆる護憲派の論客が、立憲主義という共通の土俵で議論をかわした結果、自民党の改憲草案は落第点ーーという一冊で面白いです。立場の違いを超えて議論することの大切さは、私自身も努力してきたところなので、さらに強めたいという思いに。2014/01/28
02235
2
自民党憲法改正草案の問題点を立憲主義の観点から批判している。護憲・改憲の立場の違いはあれど、憲法は権力を縛るものという認識では共通している。なので激論というより二人で自民党草案をこき下ろしてるといった印象。非常に読みやすい本。2015/07/18
たかし
1
小林先生の「自民の改憲派は無教養の自由があるから恐い」とか言っちゃってて,そこにシビれる憧れるゥッ! 小林先生と伊藤先生が9条関係では対立しつつも,立憲制については同調してる感じ。ちょっとわずかに政治色が強いけれど,薄いし読みやすいね。内容もかなり書学者向けではないかと。2013/07/28