内容説明
石油生産量はすでに減りはじめている。原子力で日本のエネルギーをまかなうなら270基の原発が必要。太陽光や風力などの自然エネルギーは地産地消がいちばん。メタンハイドレートに過大な期待はできない。「エネルギーとはなにか」がわかれば、進むべき道が見えてくる。見かけや期待にダマされないための、ほんとうのエネルギー論。低エネルギー社会を本気で考えたくなるガイドブック。
目次
序章 エネルギー問題の議論から隠される石油
第1章 石油こそエネルギー問題の本質(石油は最高のエネルギー;現代文明は石油によって成り立っている;石油の可採年数に意味はない;原油価格の高騰は世界の石油ピークに一致する)
第2章 石油に代わるエネルギーはない(エネルギーとはなにか;自然エネルギーだけでは脱石油社会は実現しない;非在来型石油に過剰な期待はできない;原子力は切り札にはなり得ない;天然ガスを増産すればよいのか)
第3章 低エネルギー社会に向けて(石油は輸入すればよいというのは楽観的過ぎる;すべてのガソリン自動車を電気自動車に置き換えることは不可能;食料生産の仕方を変える;「石油がなくなる日」に向けた低エネルギー社会のつくり方;低エネルギー社会における市民の役割)
解題 「社会イノベーション」としての「日本のプランB」
著者等紹介
大久保泰邦[オオクボヤスクニ]
NPO法人石油ピークを啓蒙し脱浪費社会をめざすもったいない学会副会長。東京都生まれ、東京大学工学部卒業。工学博士。通産省工業技術院地質調査所入所、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、アジアの政府間機関COOP、経済産業省・産業技術統括調査官、政府間機関Group on Earth Observation(ジュネーブ)を経て、現在、産業技術総合研究所地質分野企画室に勤務。日本学術会議連携会員
石井吉徳[イシイヨシノリ]
元国立環境研究所所長。もったいない学会会長。東京大学名誉教授。東京大学理学部卒。帝国石油、石油資源開発を経て、1971年より東京大学工学部資源開発工学科助教授、1978年より同大学教授。1993年、東京大学を退官し名誉教授。1994年から1998年、国立環境研究所副所長、所長。1998年から2006年、富山国際学園にて特命参事と大学教授。2006年、もったいない学会創設、会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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