内容説明
劣化ウラン兵器は、なぜ直ちに廃絶されねばならないか、いかに禁止条約を実現するか―ヒロシマ国際大会での、50数名の専門家・被害者・活動家による渾身の報告と討議の記録。国連決議採択(2007年12月)に至るICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)の取り組みと今後の展望。
目次
プロローグ 「劣化」ウラン問題とICBUW創設
開会セッション ICBUW国際キャンペーンの展開―ベルラールからヒロシマまで/ヒロシマから世界へ
第1セッション 被害‐1/イラク
第2セッション 被害‐2/アメリカ
第3セッション 科学‐1/問題の核心と展望
第4セッション 被害‐3/ヨーロッパ
第5セッション キャンペーン‐1/アジア太平洋
特別セッション ヒバクシャとの交流―特に“内部ヒバク”をめぐって
第6セッション キャンペーン‐2/禁止条約実現に向けての戦略
第7セッション 科学‐2/科学的問題をめぐる討議
第8セッション キャンペーン‐3/被害者支援に向けて
閉会セッション ICBUWヒロシマ・アピール採択
さらなる挑戦 ヒロシマ大会以降の主な動き
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
5
御用ではない真の科学者やジャーナリストの活動がこうやって記録に残されているというのに、その内容がほとんど注目されない現実に溜息が出ます。小泉元首相が国会で「帰還後の自衛隊員の劣化ウラン調査はしない」と明言したという事実(81p)は、決して埋もれさせてはいけないと思いました。 イラクに派遣された自衛隊員のウラン被曝が「なかったこと」にされているということは、すなわち、事故発生直後の福島第一原発に出動した自衛隊員やハイパーレスキュー隊員の被曝も、この先ずっと「なかったこと」にされるということを意味しています。2013/11/01