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内容説明
今から18年前、兵庫県のある中学校の生徒たちが、理科の先生といっしょに、クマのため、人のため、全生物のため、クマと森を守ろうと立ち上がりました。全国各地で共感を呼ぶ、熊森活動の全記録。
目次
プロローグ ツキノワグマ絶滅寸前
1 1枚の新聞記事
2 声を上げる
3 調べる
4 ぼくら寿命まで生きたいよ
5 世の中を変えてみせる
6 直訴する
7 森=植物+動物
8 100万人の大自然保護団体を
9 次世代のために
エピローグ 行動しなくちゃなんにも変わらん
著者等紹介
森山まり子[モリヤママリコ]
日本熊森協会会長。1948年、兵庫県尼崎市生まれ。西宮市在住。2003年春までの31年間、公立小・中学校の理科教師を務める。1992年に、尼崎市立武庫東中学校の生徒たちと、絶滅寸前の兵庫県野性ツキノワグマの保護に立ち上がる。1997年、元教え子たちと実践自然保護団体「日本熊森協会」を結成。クマをシンボルに、大型野生動物たちのつくる保水力抜群の最高に豊かな森を、子や孫、そして、全生物に残すため奔走中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zoe
18
子供と先生の行動を伴う変化が社会を動かした。つまるところ水源問題か。私は、ハンターでも農家でも動物保護活動家でもない。しかし最後の数ページにあるデータ、国内生息数ヒグマ2000ツキノワグマ8400-12600のうち、凶作の2006年わかっているだけで339、4349を捕殺し、2009年わかっているだけで601、969捕殺というデータがある。データが正しいなら、肌感覚であるけれど、捕殺は多いと感じた。こういう議論ができるうちに何とかしないといけない。イギリスは、クマもイノシシもとっくの昔に絶滅とある。2019/04/20
ばちゃ
13
約20年前、兵庫県のある中学校の生徒たちが、理科の先生と一緒に、クマのため、人のため、全生物のため、クマと森を守ろうと立ち上がりました。その活動の全記録。何かを読み、何かを感じ、その感じたことを突き詰めてリサーチし勉強し、話し合い、仲間と共有し、行動に移す。行動が失敗に終わっても、その失敗を検証し、また行動する。それが本当に”学ぶ”ということなんだ、と心の底から思った。2014/07/19
haruaki
9
人間である事が恥ずかしく感じてしまいました。自然保護活動の大切さを強く感じます。自分たちの時代だけが良ければいいなんてエゴ過ぎる考えです。熊森が気になってネットで調べてみたら割と批判的な意見もあるのですね。それはともかく、人間たちがしてきた過ちは、人間たちで改善、考えて行動していかなくてはいけないです。辛いから、と目を向けないのはやめようと思いました。2014/05/09
やまてる
6
射殺されたクマの胃の中はからっぽだった。ショックだった。クマの森を人間がメチャクチャにして餌をなくしたあげく、しかたなく餌を求めて森を出たところを駆除していたとは。人間のエゴを感じた。自分の無知を恥じた。行政や研究家が連携取れていないことにも驚いた。森がたいへんになっていることは、専門家は知っていたのだ。一人の中学生が議題にした「クマ絶滅」問題が、教師を動かし、地域の方との交流、行政を動かし、日本の環境問題取り組みへ躍進していく行動力に感動した。2012/05/28
遠藤三春
4
たまたま手にとったので。最近くまが出て人を襲っていることと、その流れで駆除に対して反対の声を上げている熊森協会のことをテレビで見たりしていた。この本は熊森協会がどんな流れて誕生したかも書いてある。私は正直、現在人を襲っているのだから駆除するのは仕方ないと思う。しかしもとを辿れば森に熊を住めなくしたこの国の責任でもあると思う。熊森協会は2003年前後の兵庫県近隣でツキノワグマの絶滅を案じた中学校の理科教師と生徒を中心に保護活動を始めたこと。現在のネット上やマスコミの無責任な言葉や沈黙に残念な気持ちになった。2024/02/19