内容説明
エイズによって親を亡くした子どもの数は、2008年には1400万人に上っています、この数字は、実に日本の小学生、中学生、高校生を合わせた数に匹敵します。サッカーのワールドカップ開催で沸く南アフリカのもうひとつの真実。
目次
第1章 エイズの影響を受けた子どもたち
第2章 エイズウィルスは人種を選ばない
第3章 南アフリカにHIV感染者が多いのは、なぜ?
第4章 アフリカにひろがる貧しさ
第5章 エイズがもたらす社会への影響
第6章 エイズ治療薬が、南アフリカで普及しなかったわけ
第7章 世界はどんな取り組みをしているか
第8章 日本の私たちにできること
著者等紹介
青木美由紀[アオキミユキ]
認定NPO法人シェア=国際保健協力市民の会、海外事業チームリーダー。宮城県出身。創価大学卒業。米国コロンビア大学ティーチャーズカレッジで修士課程(国際教育開発専攻)修了。帰国後、企業勤務を経て、2000年よりシェアで保健プロジェクトに従事。2005年8月から07年4月までプロジェクト・マネージャーとして南アフリカ・リンポポ州におけるHIV/エイズの予防啓発およびケア&サポートプロジェクトに携わる。現在は、日本で南アフリカ・エイズ問題についての講演などをおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
16
先進国による搾取や途上国との格差、アパルトヘイトやその後の政治的失策以外にも、南アフリカで新たに誕生する1200人の医師のうち600人は国外に、450人は私立の医療機関へ、115人は都市部に就職してしまい、残った35人だけが農村貧困地域の保健治療に従事する。何時間も歩いて貧困地域のエイズ患者を自宅介護訪問している男性の言葉「明日は自分に何があるかわからないだろう。だから、ぼくは今日人のためにできることをしているんだ」先進国の製薬会社が特許を理由に低価格薬を途上国に流さない訴訟を起こすなど恥ずかしいことだ。2016/02/11
マエダ
13
目を背けたくなることも見て学ばねばならないと思い図書館で手に取った。2015/10/19
のの
12
格差社会という言葉が聞かれるようになって久しいが、いのちにまで格差が生じている世界はやはりおかしい。世界が本当に協力できたなら、エイズの問題は今すぐにでも大きな解決を見せるだろうに。いのちは地球より大切だと言うが、実際は企業の利益に転がされたり、政治家の態度に弄ばれたり、根強い地域の文化に左右されてしまう。それでも諦めずに闘い続ける人々に頭が下がる思いだ。中高生向けの本だが、MDGsや人間の安全保障にも触れられていて丁寧に作られた本だと思う。日本はHIV感染者が増えているので、多くの人に読んでほしい。2012/03/23
みなみ
3
図書館で。南アフリカにおけるエイズの蔓延。人種差別、格差、貧困、偏見、医療スタッフや薬不足。アフリカを搾取して繁栄する、所謂「先進国」の罪がある。日本は人種隔離政策にもかまわず南アフリカと貿易してきた国。倫理観がないのは昔から変わらない…2019/06/25
Luisa
3
子どもたちに読んで聞かせようかと思ったけど、ちょっと難しいかな。2018/03/03